鈴木遺跡 ― 2025年02月13日 00:10
鈴木遺跡(すずきいせき)は東京都小平市にある旧石器時代の遺跡である。
概要
1974年(昭和49年)6月、現在の鈴木小学校用地の工事現場で発見で発見された。約3万8千年から1万6千年前の後期旧石器時代の人々の暮らしが分かる日本の代表的な遺跡である。総面積約22万㎡で都内で最大級の面積を有する遺跡である。標高約73~75mの武蔵野段丘上に位置する。石神井川の源流の遊水池を取り囲むように石器群が稠密に分布する。石材には黒曜石の比率が高く、武蔵野台地における石材獲得の拠点と推定される。遺跡は旧石器時代最末期には衰微した。
調査
後期旧石器時代の初めから終わりまでの約2万2千年で使われた旧石器が、途切れることなく地中から出土した。1974年から1982年にかけて断続的に大がかりな発掘調査が行われた。各調査地点で立川ロームⅢ~Ⅹ層の間に都合12枚の文化層が確認され、多数の礫群や配石、石器集中部、炉穴等の遺構が検出された。遺物はナイフ形石器、尖頭器、尖頭状石器、 細石刃、尖頭状石器、掻器、彫器、石斧、礫器など多数の種類の石器が出土した。石器の総数は約3万7000点である。局部磨製を含む20点以上の打製石器が特徴的である。
遺構
旧石器時代
- 石器集中
- 礫群
- 炭化物集中
- 炉
- 土坑
縄文時代
- 落とし穴1
- 土坑類
遺物
旧石器時代
- ナイフ形石器
- 尖頭器
- 尖頭状石器
- 細石刃
- 台形様石器
- 掻器
- 彫器
- 石斧
- 礫器
- 敲石
- 磨石
- 台石
- 石核
- RF
- 剥片
- 砕片
- 石核
- 礫
- 斧形石器
- 槍先形尖頭器
- 細石器
- 台形石器
- スクレイパー
- 彫器
- 敲石
- 礫器
- 使用痕のある剥片
- 石錐
- 原石
- 石核
- 斧形石器
- 角錐状石器
- 槍先形尖頭器
- 細石器
- 敲石
- 台石
- 原石
- 抉入削器
- のみ状石器
- 大形刃器
- 楔形石器
縄文時代
- 縄文土器(曽利式)
- 尖頭器
- ナイフ形石器
- 剥片
- 礫
- 打製石斧
- 石鏃
展示
- 鈴木遺跡資料館
指定
令和3年3月26日 国指定史跡
アクセス等
- 名称:鈴木遺跡
- 所在地:東京都小平市鈴木町1
- 交通: JR武蔵小金井駅から小平駅南口行き西武バス(花12)。バス停「回田本通り」から徒歩5分。
参考文献
槍 ― 2025年02月13日 23:52
槍(やり)は長い柄の先に刀剣を取り付けた武器をいう。
概要
旧石器時代に狩猟の道具として槍が登場する。旧石器時代末期から縄文時代の当時の素材は石槍であった。大きなマンモス、ヘラジカなどの大型動物の捕獲に使用する。尖頭器は、槍の柄の先につけた狩猟用の道具である。柄は木材を使うので、朽ちるため出土しない。 形状により柳葉形、木ノ葉形、三稜形の3種類がある。素材の多くは黒曜石が使われた。原料の黒曜石は関東地方では産出しないので、神津島や信州の黒曜石原産地まで出向き、入手したとみられる。 対人間の戦の武器として使用されるのは、鎌倉時代中期以降とされる。
出土例
- 槍先形尖頭器 埼玉県鶴ヶ島市高倉出土、旧石器時代(後期)・前18000年
- 石槍 上林遺跡、栃木県佐野市 、旧石器時代
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