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凹線文2023年12月20日 17:26

凹線文(おうせんもん)は弥生時代に縦断面が凹弧状になる溝が平行する直線文の土器である。

概要

濡れた布・皮などを折り曲げて、回転させたる土器の表面に当てて複数の直線文を描く。 凹線と凹線との間をなでつけて、縦断面が波状となるものや、撫でずに突線状のままになる例がある。 畿内・山陽の弥生Ⅲ式の土器に出現した。Ⅳ期では広く西日本に広まった。 壺・甕・鉢などの口縁部・頸部や高坏の口縁や脚部に多い。

事例

  • 凹線文土器 - 東雲神社遺跡、愛媛県松山市 、壺型土器、高坏形土器、-
  • 凹線文土器 - 井口遺跡、浅鉢土器、深鉢土器、縄文時代
  • 凹線文土器 - 後中尾遺跡、島根県倉吉市、甕口縁に凹線、弥生時代
  • 凹線文土器 - 藤原遺跡、岐阜県高山市、甕、竹管状の工具による凹線文、縄文時代

参考文献

磨石2023年12月20日 19:15

石皿と磨石/埼玉県立歴史と民族の博物館

磨石(すりいし)は食料としてのクリ・クルミ・ドングリなどの堅果類をすりつぶしたり砕いたりするために用いた石器である。

概要

手頃な握りやすいサイズの自然礫をほぼそのまま使う例や、球状、棒状、扁平に加工した例がある。窪みのある同類品は凹石(くぼみいし)として区別する。石皿とセットで用いる。 磨石は磨いたツルツルの面をもつ丸い石で、石皿にすり付けて使う。手に持ちやすい大きさと押し潰す作業に適した重さの石を利用する。平らでない面や側面は塊の状態のものを叩いて潰すときに使う。磨石の出土は縄文時代で多い。サイズは成人男性の握り拳より一回り大きい程度である。

用途

旧石器時代からあり、縄文時代には石皿の上で堅果類粉砕するために使用した。球状の小形品は土器作りの際に器面をなでつけるために使用した。木の実の皮をむいたり、粉にする道具で、石皿と呼ばれる平らな石の上に木の実を置き、たたいたり、すりつぶしたりする。使用方法を特定する方法には、石器の表面に残されたわずかなデンプンの粒子を顕微鏡で観察する方法がある。

事例

  • 磨石 - 原遺跡、岡山市北区御津宇垣、縄文時代後期~晩期
  • 磨石 - いんべ遺跡、岐阜県揖斐郡揖斐川町門入、縄文時代

参考文献

尖頭器2023年12月20日 23:50

尖頭器(せんとうき)は槍の柄の先につける旧石器時代を中心とする狩猟用の石器である。 別名は「槍先」「刺突具」とも言う。

概要

先端が尖っているので、「尖頭器」の名称がつけれれた。平らで左右対称の形である。 こぶし大の石の塊を打ち欠いて刃を作り出しながら、全体を細長い木の葉っぱのような形に整えて作る。小さく薄く作った細石刃を、木や骨に埋め込んだものは「細石器」という。

利用した時代

旧石器時代と縄文時代草創期で使用されたものであり、それ以降の時代に類似した形状は石槍や石剣として区別する。旧石器時代には「ポイント」とも呼び、柳葉形(りゅうようけい)・木ノ葉形(このはがた)・三稜(さんりょう)などの種類がある。縄文・弥生時代には石槍と呼んでいる。

作り方

製作法と形態から2種類に区別できる。 第一は剥片または石刃の背と腹の両面を押圧剥離により調整し、石核から剥離したときにできた一次剥離面がほぼなくなったものである。木の葉状のものが多い。 第二は石刃を素材とし、両側縁に急角度の刃潰しを加えて尖頭部を作る。日本でナイフ型石器と呼ぶものの多くは、このタイプである。 尖頭器はこぶし大の石の塊からうちかいて作られ、完成した尖頭は、原石の十分の一以下となる。 後期旧石器時代の尖頭器は、真ん中を横に切ったときの断面が三角形になるものは「三稜」(三つの角がある)尖頭器と呼ばれる。

ナイフ型石器と区別

日本の旧石器時代には剥片または石刃の背原の両面を調整したものを尖頭器と呼ぶ。石刃の鋭い側縁を刃として残したものをナイフ型石器という。

形式

細長型と幅広型の2種類がある。先土器時代に登場し、縄文時代、弥生時代まで用いられる。先土器時代のものを尖頭器または槍先形尖頭器、縄文時代以降のものを石槍とよぶ。 形状は柳葉形、半月形、有茎形などがある。

素材

サヌカイトや黒曜石が使われる。原産地で途中まで作り、狩りをする場所で細かな調整をして、槍の先端につけて仕上げたといわれている。

出土例

  • 尖頭器 - 北海道遠軽町留岡 下社名渕遺跡出土
  • 尖頭器 - 下社名渕遺跡出土、北海道遠軽町留岡、旧石器時代(後期)・前18000年
  • 尖頭器 - 小石川遺跡、岩手県盛岡市、旧石器時代/1万3000年前
  • 尖頭器 - 鹿児島県薩摩川内市、旧石器時代
  • 黒曜石製尖頭器 - 姉崎台遺跡、千葉県市原市、縄文時代草創期
  • 木の葉形尖頭器 - 飛鳥池遺跡

参考文献