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辻金具2023年12月10日 16:02

辻金具(つじかなぐ)は金属製半球の四方に留め板を付けた馬具である。

概要

装飾馬具を革で垂下する場合に必要となる。三繫、面繫,胸繫,尻繫の革紐や組紐が交差する個所に用いる留金具である。辻金物ともいう。 紐が4方向に出るものと3方向にでるものとがある。 古墳出土では半球状の座の四方に足を出し、足に紐を鋲留めする。鉄の地金に金銅を張る。 5世紀の古墳の出土品では鉄環に紐をかけ、責金具を巻き、爪形金具を鋲で留めている。5世紀末からは、鉄輪の上を半球状の金具で飾る。その後、形状は紐を留める脚をもつ半球状金具に変わる。

出土

高句麗、新羅、伽耶など4世紀後半から6世紀前半の朝鮮半島に類例があり、日本では福岡県の沖ノ島7号遺跡、奈良県の藤ノ木古墳、静岡県の賤機山古墳など、6世紀後半から7世紀前半の遺跡や古墳から出土する。船原古墳ではガラスの装飾が付く。韓国慶州の新羅王陵、皇南大塚古墳から類似する辻金具が出土しおり、新羅との交流がうかがえる。

出土例

  • 金銅辻金具 - 弁財古墳、京都府福知山市、古墳時代後期、6世紀末~7世紀初頭頃
  • 金銅製歩揺付辻金具 - 藤ノ木古墳、奈良県生駒郡斑鳩町、6世紀後半

参考文献

石障2023年12月10日 22:51

石障(せきしょう)は横穴式石室の玄室の四壁の前に立てられた板状の石材である。

概要

横穴式石室の玄室内をいくつかの埋葬空間に区切るための仕切り板である。特に大きく高い仕切り板をいう。 羨道がつながる前壁側に置くものでは、通路を妨げないようにU字形に切り取ったものがある。玄室に向いた面に線刻で直弧文や円文があるものが多い。 熊井寺古墳や熊井寺千金甲1号墳などは線刻・浮き彫りに彩色を施す。 熊本を中心として分布する。 造山古墳第5古墳(千足古墳)の玄室には石障・玄門の立柱石と板石閉塞・穹窿状に積まれた壁面がある。

出土例

  • 石障 - 千金甲古墳(甲号)、熊本県熊本市市、古墳時代
  • 石障 - 千足古墳、岡山県岡山市北区井、古墳時代 、直弧文
  • 石障 - 造山古墳第5古墳(千足古墳)、岡山県岡山市北区、古墳時代中期
  • 石障 - 小田良古墳、熊本県宇土郡三角町、6世紀初め

参考文献