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土師器2023年06月22日 21:51

土師器(はじき)は古墳時代から平安時代まで使われた、弥生土器の系統を引く素焼の土器である。

概要

土師器は、粘土紐巻き上げ法によって成形するのが通常である。祭祀用土器では手づくね法がとられている。焼成温度は800度前後である。色調は全体に赤身を帯びる。 日常生活用具のひとつである。壺、甕、坏、高坏、器台、盤、甑、椀などがある。整形には叩き、刷毛目、磨き、なで、削り、押さえなど、多様な手法が取られるが、手法には地域差がある。 古墳時代前期は弥生時代土器の特徴を受け継いでいる。壺、器台、小型丸型土器などが作られた。中期は壺や高坏形土器などの形態が変化し、甑形土器の表面調整にも変化が生じる。 後期になると須恵器が登場し、伴出する例が増える。奈良時代、平安時代は須恵器、施彩陶器が主流となる。

用語

平安時代の文献『延喜式』や『和名抄』に「波爾」を「はじ」と読む。

出土例

  • 壺は群馬県太田市の石田川遺跡
  • 皿は宮城県仙台市の郡山遺跡
  • 高坏は奈良県天理市柳本町出土 東京国立博物館蔵 8世紀 重要文化財
  • 土師器甕 奈良時代・神亀6年(729) 東京国立博物館 奈良市都祁甲岡町 小治田安万侶墓出土

参考文献

  1. 大塚初重(1982)『古墳辞典』東京堂出版
  2. 江坂輝彌、芹沢長介()『考古学ハンドブック』ニューサイエンス社

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