碧玉 ― 2023年06月01日 11:56
碧玉(へきぎょく、jasper)は不純物を含んでおり、不透明で色のついた塊状の石英。である。
概要
石英の仲間でも、透明度のあるものはカルセドニー、縞模様などの模様が見えるものはアゲート、不透明なものはジャスパーと呼ぶ。ジャスパー(Jasper)の名前は「斑点のある石」を意味する古代フランス語「jaspre」、ラテン語の「jaspidem」、ギリシャ語の「jaspis」に由来する。 酸化鉄などが混じるために赤色、緑色、黄色、褐色、黄褐色、灰緑色、褐黒色などの色がある。 割れ口は平滑または貝殻状である。「聖なる石」として崇められてきた。
原産地
インド、日本、南アフリカ共和国、マダガスカル、メキシコ。
正倉院
- 曲玉
- 金銅杏葉形裁文
出土例
- 金崎1号墳 島根県松江市西川津町 碧玉製勾玉5 島根大学考古学研究室所蔵
- 田能遺跡出土碧玉製管玉 兵庫県尼崎市、弥生時代、碧玉
丸玉 ― 2023年06月01日 11:58
切子玉 ― 2023年06月01日 12:02
切子玉(きりこたま)は截頭角錐を2個合わせた形状の玉である。
概要
断面は六角形が多いが、七角形、八角形、四角形などもある。材料は水晶が多いが、硬玉、琥珀、埋木、瑪瑙、蝋石、ガラス、ろう石なども用いられる。切子玉は主として古墳時代後期に使用された。 大きさは1cmから3cm前後である。算盤玉は横断面が円形で、截頭円錐形を2つ合わせた形状である。
出土例
- 大形切子玉 大阪府和泉黄金塚古墳
- 切子玉 沖ノ島8号遺跡
- 切子玉 ホリノヲ2号墳
参考文献
- 阿部善也(2021)「沖ノ島8号遺跡出土カットグラス碗片・切子玉の非破壊蛍光X線分析による起源推定」『沖ノ島研究』7,「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会
- 阿部善也(2022)「X線分析から明らかになる古代ガラスの起源と流通」色材協会誌/95巻 12 号
古事記 ― 2023年06月03日 12:00
古事記(こじき)は、現存する中では日本最古の歴史書といわれている。全3巻。日本の建国の由来、歴史上の出来事や物語が語られる。続日本紀には全く古事記の完成に触れていない。正史の日本書記に対して、私的な歴史書と位置付けられている。
概要
現在しないものでは『帝紀』『旧辞』『国記』『天皇記』は古事記より成立が古いといわれる。 712年(和銅5年)、天武天皇の命により稗田阿礼が誦習した「帝紀」「旧辞」を元明天皇の命により712年(和銅5年)に太安麻呂が撰録し、献上したと序文に記載される。
構成
上巻は神代の物語、中巻は第一代神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までを記載する。上巻の初めに序(上表文)がつく。記述法は、本文の散文は和文的漢文体、韻文は和文体とする。編年体、紀伝体のいずれの形式ではなく、神代以外は天皇の代ごとに事跡をまとめる。
刊行本
- 黒板勝美(1998)『国史大系 古事記・先代旧事本紀・神道五部書』吉川弘文館
- 久松潜一(1994)『古事記大成』平凡社
- 中村 啓信(2009)『新版 古事記 現代語訳付き』角川文庫
- 倉野 憲司(1963)『古事記』岩波文庫、ISBN-10:4003000110
- 倉野 憲司 , 武田 祐吉(1993)『古事記 祝詞』岩波書店
- 青木和夫,石母田正 (1982)『日本思想大系 1 古事記』岩波書店
写本
『古事記』の原本は現存しない。伊勢系諸本と卜部系諸本の2種類がある。
- 真福寺本系
- 国宝、愛知県宝生院(大須観音)蔵
- 最も古く確かな写本として、古事記研究の底本となる。
- 道果本(重要文化財、奈良県天理図書館蔵)
- 上巻の前半部分しか現存しない。
- 道祥本(伊勢本ともいう。東京都静嘉堂文庫蔵)
- 春瑜本(重要文化財。伊勢神宮蔵。伊勢一本、御巫本とも云う。)
- 兼永筆本(京都府・鈴鹿勝蔵、兼永本、鈴鹿登本ともいう。)
- 近衛本(陽明文庫本、京都府陽明文庫蔵)系
- 梵舜本(ぼんしゅんぼん:東京都國學院大學蔵)系
- 山田本(やまだぼん:東京都静嘉堂文庫蔵)系
- 猪熊本(香川県猪熊家蔵)系
- 三浦本(戸川本、兵庫県戸川家蔵)系
- 九條本(奈良県天理図書館蔵)系
- 隠顕蔵本(奈良県天理図書館蔵)系
- 祐範本(ゆうはんぼん:前田本、東京都前田育徳会尊経閣文庫蔵)系
- 国立国会図書館蔵(1644年、寛永21年)、前川茂右衛門)
真福寺本
「真福寺本古事記」に記載されている崩年干支は紀年論に重要な役割を果たしている。
参考文献
倉野 憲司<校注>(1963)『古事記』岩波書店
風土記 ― 2023年06月03日 12:02
風土記(ふどき)は奈良時代に編纂された地名、特産物、土地の良し悪し、地名の由来、地域に伝わる伝承、伝説などを収録した郷土誌である。
概要
和銅六年(713年)5月2日、元明天皇は全国に向けて風土記を撰進するよう官命を発した。
ほぼ完全なもの
『出雲国風土記』はほぼ完全な形であるが、『常陸国風土記』『播磨国風土記』『肥前国風土記』『豊後国風土記』は一部が欠ける。これら以外は逸文だけが残る。
一部だけ残るもの
『山城国風土記』・『摂津国風土記』・『伊勢国風土記』・『尾張国風土記』・『陸奥国風土記』・『越後国風土記』・『丹後国風土記』・『伯耆国風土記』・『備中国風土記』・『備後国風土記』・『阿波国風土記』・『伊予国風土記』・『筑前国風土記』・『筑後国風土記』・『豊前国風土記』・『肥後国風土記』・『日向国風土記』・『大隅国風土記』・『壱岐国風土記』
官命の内容
- (原文) 畿内七道諸國郡郷名著好字。其郡内所生、銀銅彩色草木禽獸魚䖝等物、具録色目。
- 及土地沃塉、山川原野名号所由、又古老相傳舊聞異事、載于史籍言上。
- (大意)郡内に生ずる所の銀銅彩色草木禽獣魚虫等ノ物、具さに色目に録し、及び土地の沃塉、山川原野の名号の所由、又古老相伝ふる旧聞異事は、史籍に載せて言上せよ
参考文献
上宮聖徳法王帝説 ― 2023年06月03日 12:04
上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)は厩戸皇子の現存最古の伝記である。
概要
成立年代は不明である。一巻。現在知恩院蔵の写本(国宝)が、現存する最古のものである。本書でのみ知られる内容があり、史料的価値は高い。江戸時代までは法隆寺に伝わった。撰者未詳であるが、古い資料をもとに法隆寺の僧がまとめたと考えられている。
構成
皇室系譜は七世紀の古い記述法である。他の部分を付加し現在の姿になったのは平安中期とされる。裏書に山田寺の創建に関する記事がある。全体は五部構成である。 ①聖徳太子を中心とする皇室系譜、 ②太子の事跡:8世紀頃 ③法隆寺金堂薬師像後背銘・同釈迦像後背銘・天寿国繡帳と注釈、 ④太子の事跡の再録・追補(物部守屋討伐、戊午年の仏教伝来と廃仏、仏教興隆、冠位制、十七条憲法、山背大兄王事件、蘇我氏の滅亡):8世紀頃 ⑤欽明天皇より推古天皇に至る五天皇の在位年数・崩年・陵名、太子の生没年・墓所
参考文献
- 東野治之(2013)『上宮聖徳法皇帝説』岩波書店
古語拾遺 ― 2023年06月03日 12:05
古語拾遺(こごじゅうい)は平安時代初期の貴族の斎部広成が取りまとめた歴史書である。
概要
宮中祭祀を担当していた斎部氏が、正史に漏れている伝承を書き記したものである。平城天皇から朝儀に関する召問があり、それに応えるために作成された。神代では『古事記』や『日本書紀』などの史書から漏れた斎部氏に伝わる伝承を記載する。津田左右吉は史書としての価値は低いと評価したが、近年では再評価されつつある。
構成
構成は以下の通りである。
- 序
- 本文
- 神代の古伝承 天地開闢、日神、素神、大己貴神、天孫
- 神武天皇以降、天武天皇までの古伝承
- 古伝承から漏れた十一条
- 御歳神祭祀の古伝承
- 跋
成立
807年(大同2年)2月13日に作成されたとされている。写本によっては、806年(大同1年)とするものがある。
参考文献
- 斎部広成・西宮一民(校注)(1985)「古語拾遺」岩波書店
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