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2023年09月19日 22:40

(さしば)は長めの柄がついた扇である。

概要

儀式に際し、従者が貴人にかざす長柄のついた団扇形の用具である。鳥の羽や絹を張ったうちわ形のものに長い柄をつけた道具である。貴人の外出時や、天皇が即位・朝賀などで高御座に出るとき、従者が差し出して顔を隠すために用いた。ルーツは中国とされる。

壁画

高松塚古墳の壁画中に翳を使うものがある。南を向いた先頭の女性が「翳」を持っている。団扇の部分は鳥の羽や薄絹などでつくられている。 さしばの場合は、日本列島では確かな実物の出土はみつかっていない。千葉県木更津市の金鈴塚古墳の副葬品の中には、翳(さしば)の金具とされる小品があるが、確実ではない。福岡県宮若市の竹原古墳では馬や人物がいる部分を左右両側から挟み込むように、二本一対の翳らしきものが立てられた様子が描かれる。節の付いた棒の先に、放射線状の文様をもつ楕円形のうちわが描かれる。うちわの根元にはその留め具のような表現がある。

万葉集

  • 3882 - 渋谿の二上山に鷲ぞ子産むといふ翳にも君のみために鷲ぞ子産むといふ
  • (大意)澁谷の二上山に鷲が子を産むという。翳になって君の役に立ちたいと子を産むという。

出土例

  • 翳形埴輪 - 出土地不詳、古墳時代後期、天理参考館
  • 埴輪 翳 - 群馬県伊勢崎市豊城町権現下出土、古墳時代・6世紀

参考文献

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