鋸歯文 ― 2023年12月26日 20:11
鋸歯文(きょしもん)は多数の三角形を連続して連結した文様である。
概要
輪郭を沈線や突線で表す線鋸歯文、全体を周辺から高く上げる突鋸歯文などがある。 鋸の歯を並べたように見えるところから命名された。 赤い顔料で輪郭を描いたり、塗りつぶしたものがある。 斜辺に平行する複数の線で三角形を埋めるものがある。複数の三角形の頂点を線で結ぶと、上下逆の三角形が交互に連続する鋸歯文になる。 土器に線鋸歯文があり、面違鋸歯文は瓦に限られる。土器、木器には顔料で描くものがある。 中国の漢代の青銅器などからみられる。弥生時代以降には様々な文物に用いられ、弥生土器や銅鐸、銅鏡、埴輪、瓦、古墳の壁面装飾にみられる。
出土例
- 鋸歯文 - 文様土器(鋸歯文)、唐古・鍵遺跡、奈良県磯城郡田原本町、弥生時代(中期)
- 鋸歯文で飾られた壺 - ウエノ遺跡、徳島県三好市池田町、弥生時代後期
- 鋸歯文のある銅鐸 - 朝日遺跡、愛知県清須市、弥生時代中期末から後期初頭
- 複合鋸歯文 - 半円方形帯画像鏡、沖ノ島17号遺跡出土、4~5世紀
参考文献
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