勝坂式土器 ― 2024年03月14日 00:23
勝坂式土器(かつざかしきどき)は縄文時代中期に関東地方西部から山梨県、長野県に分布する土器形式である。
概要
紀元前3500年から同3000年の時代である。器壁が厚いことから鳥居龍蔵により厚手式と呼ばれる土器群とされた。神奈川県相模原市勝坂遺跡出土の土器を標識とする。 形式や文様構成からⅠ式、Ⅱ式、Ⅲ式に分類される。粘土紐を多用した複雑で立体的な装飾文様や顔面把手(顔を表現した取っ手)、細い胴部、大きな口縁部、立体的な造形に特徴がある。中空の把手は発達せず、器面に無文もしくは地文のみの部分がある。
分布
南関東、山梨、長野などに分布する。
発見
1926年に大山柏が率いる大山史前学研究所が現在の神奈川県相模原市南区磯部の勝坂遺跡での発掘調査により検出した土器群を山内清男は、『縄文土器の細別と大別』で中期初頭の五領ヶ台式と中期後半の加曾利E式の間に「勝坂式」として位置付けた。
参考文献
- 大山柏(1927)「神奈川縣下新磯村字勝坂遺物包含地調査報告」史前研究會小報1
- 山内清男(1967)「勝坂式」日本先史土器図譜第1部
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