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画文帯神獣鏡2024年06月13日 22:17

画文帯神獣鏡/明治大学博物館

画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)は中国後漢時代の銅鏡である。

概要

日本の古墳では出土例が多い銅鏡である。「画文帯」は外区の帯に車をひく竜や、飛ぶ鳥や、走る獣や、飛雲や、神仙などの絵画的な文様をいう。平縁部分の幅が広い。 「絵文様縁神獣鏡」「飛禽走獣文縁神獣鏡」とも呼ばれる。内区には神仙像を中心とする神獣文が表される。図像は浮彫により、細線を用いる細密表現がなされる。 ホケノ山古墳では画文帯の文様に仙人が走る姿が浮き彫りになっている。当初は左回りであった。右回りは後漢末期(3世紀始め)のものである。黒塚古墳では画文帯神獣鏡は木棺内に置かれた。立った状態で鏡背を南に向けて出土している。直径13.5センチメートで三角縁神獣鏡より一回り小さい。三角縁神獣鏡より重視されていたといえる。

位置づけと製作地

「それまでの北部九州に替わって初めて近畿地方に分布の重心を置いた中国鏡」との意見がある。画文帯神獣鏡は華南系であるため対江南貿易の主としておこなわれた四、五世紀の間にもたらされたと考えられている(樋口隆康(1960))。画文帯神獣鏡は主に後漢後期から西晋時代までに作られたとされる。製作は東漢末から三国、西晋代に中心があるとされる。

形式

画文帯神獣鏡は主文の構図により、同向式神獣鏡、環状乳神獣鏡 、求心式神獣鏡に分けられる。樋口隆康(1960)は三像対置式、騎獣神環線式、多神同行式、列仙重列式、独立像求心式に分けている。

出土例

  • 画文帯神獣鏡 - 柳井茶臼山古墳、山口県 柳井市、古墳時代前期末。約30片に割れた状態で発見された。内区に神像、走獣禽像を表す。県指定文化財。中国で作られた舶載鏡。
  • 画文帯神獣鏡 - 天神山古墳、奈良県天理市柳本町出土、径16.5cm。古墳時代、重要文化財。
  • 画文帯神獣鏡 - -和泉黄金塚古墳、中央槨の棺外から出土した画文帯同向式神獣鏡に、「景初三年」(239年)銘がある。
  • 画文帯神獣鏡 - --ホケノ山古墳、奈良県桜井市出土。古墳時代前期。
    • 大型品で精緻な表現である。直径19センチメートル 後漢製(舶載鏡)
  • 画文帯神獣鏡 --黒塚古墳、奈良県天理市、古墳時代前期

参考文献

  1. 樋口隆康(2005)「放射光を使った古鏡の分析」レーザー研究33 巻 Supplement 号
  2. 樋口隆康(1960)「画文帯神獣鏡と古墳文化」史林43 (5)、pp.673-689

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