縄文時代の炉 ― 2025年04月04日 00:17
縄文時代の炉(じょうもんじだいのろ)は縄文時代の竪穴住居内の火を燃やす場所をいう。
概要
炉は縄文時代に始まり、弥生時代にも使われた。縄文時代の竪穴住居には炉が存在する。 縄文時代の早期では住居の近くの屋外に炉を作っていた。縄文時代中期になり住居の中に炉を作るようになった。縄文時代の炉は多くは円形または四角形である。 弥生時代以降は地床炉になる。遺跡の竪穴住居には、熱により赤くなったり黒くなったりしているのが「炉跡」である。
炉の役割
炉の役割は火を使った調理をするためである。炉で火を燃やしてて食事を作り、家の中を明るくし、寒い時期には暖房の役割もあった。
炉の種類
炉には、地床炉、深鉢形土器を埋め込んだ埋甕炉、河原石をめぐらした石囲炉、土器と石囲を組み合わせた石囲埋甕炉などがある。
複式炉
竪穴住居の中で、火を焚く場所がふたつ並んでいる炉を複式炉という。後藤守一と梅宮茂が命名した。複式炉は、東北地方南部を中心に形成され、縄文中期末の大木 8b式土器の後半に出現し、大木10 式土器の後半に終焉したとされている。複式炉期の年代は、和台遺跡、前山A遺跡、三内丸山遺跡および小林ほか(2003)の縄文時代中期土器の14C年代から、炭素年代で 4300~3950 yrBP、暦年代で 2850~2470 cal BC (4800~4420 cal BP)と推定されている。
参考文献
- 吉川昌伸・吉川純子(2005)「縄文時代中・後期の環境変化」日本考古学協会福島大会
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