長持形石棺 ― 2025年04月21日 00:46
長持形石棺(ながもちがたせっかん)は底石と4枚の側壁石、上部の蓋石を組み合わせた箱形の石棺である。
概要
中国の組合せ式棺木の素材を石に変更したものとされる。古墳時代中期頃から登場し、近畿地方に多い。 蓋石の上部にかまぼこ状の膨らみがあり、蓋石、または長側石、底石に運搬用の縄掛突起がつく。長持形石棺は、全国で約50例が出土している。東日本では富士山古墳、太田市天神山古墳、 岩鼻二子山古墳、千葉県で三之分目大塚山古墳、高柳銚子塚古墳、東北では経の塚古墳がある。
古墳時代の棺の変遷
桜井茶臼山古墳などの割竹形木棺が古墳時代前期に素材を石に変えて割竹形石棺になった。 前期後半に舟形石棺が登場する。古墳時代中期頃から石材を組み合わせる長持形石棺が登場する。蓋石が山形に盛り上がる。各長辺・短辺に大きな円筒形の縄掛け突起をつけ、運びやすくする。
出土
- 長持形石棺 - 津堂城山古墳、大阪府藤井寺市、4世紀後半
- 長持形石棺 - 久津川車塚古墳、京都府城陽市、5世紀前半(古墳時代中期前半)頃
- 長持形石棺 - 太田天神山古墳、群馬県太田市内ケ島町、5世紀前半-中期頃
参考文献
- 和田晴吾(1976)「畿内の家形石棺」史林
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