雨の宮一号墳 ― 2024年04月04日 19:56
雨の宮一号墳(あめのみやいちごうふん)は石川県鹿西町にある前方後円墳である。
概要
能登半島の中央部を東西に横切る邑知地溝帯付近の眉丈山山中にあり、1号墳は、墳丘長64メートルの県内で最大規模の前方後方墳である。墳丘の主軸は東西方向で、前方部は東に向く。短い前方部で、墳長64mに対して、前方部高さは推定6.5mで、比較的に高さがある。埋葬施設は粘土槨で7.2m、幅2mの規模である。主軸は南北方向である。
調査
1990年代に墳丘表面の全面発掘が行われた。棺は長さ6.3m、幅2mの割竹形木棺である。副葬品は神獣鏡1面、車輪石4(緑色凝灰岩製、外径、内孔とも卵形である)、石釧15(最大直径11cm)、琴柱形石製品 1、管玉14個、方形板革綴短甲1領、銅鏃 52本、鉄鏃 約30本、直刀7本以上、剣3本以上、短剣7本以上、鉄斧2個、靫1点(漆が塗られる)、漆製品などであった。墳丘の裾部3箇所から壺、高坏などが出土しており、葬送儀礼での使用品とみられる。 仿製神獣鏡の鏡面に布が付着し、板状の木片が残ることから、木箱に納め布で包装していたとみられる。貴重品との認識があったようだ。
規模
- 形状 前方後方墳
- 築成 前方部:2段、後方部:2段
- 墳長 64m
- 後円部 径45×36m 高6.5m
- 前方部 幅推定35m 長推定28m 高推定6.5m
外表施設
- 葺石 あり -安山岩・花崗岩の割石角礫
遺構
- 主体部
- 室・槨 粘土槨
- 棺 木棺直葬
遺物
- 仿製鏡 神獣鏡1
- 車輪石4・
- 石釧15
- 管玉14
- 琴柱形石製品 1
- 鉄剣 短剣7
- 鉄刀 大刀7
- 鉄鏃 約30
- 銅鏃 52
- 革綴短甲 方形板1
- 靫1
- 斧2
- 漆製品(盾?)1
- 赤色顔料
時期
- 古墳時代前期後半(4世紀中頃~後半)
被葬者
- 能登一円を支配した人物と想定
指定
- 1982年(昭和57年)10月12日 史跡指定
- :2008年7月10日 - 重要文化財
アクセス
- 名 称:雨の宮一号墳
- 所在地: 〒929-1602 石川県鹿島郡中能登町能登部上7
- 交 通:西日本旅客鉄道 能登部駅 から徒歩56分 3.6km
参考文献
- 文化庁編(1997)「発掘された日本列島'97」朝日新聞社
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