東町田墳墓群 ― 2025年03月25日 00:07
東町田墳墓群(ひがしまちだふんぼぐん)は岐阜県大垣市昼飯町にある弥生時代終末期から古墳時代前期にかけての墳墓と古墳である。
概要
金生山麓から連なる標高15~18mの段丘上に弥生時代終末期に築造された直径17.6mなど2基の円形墳丘墓が遺存する。近接して同時期の一辺10m前後の方形周溝墓2基がある。 方形周溝墓が一般的な弥生時代終末期に円形墳丘墓を築造していた。その後は、前方後方墳(前方後方形周溝墓)と方墳(方形周溝墓)が築造される段階から、前方後円墳が安定的に築造される。古墳成立期の東海地域の状況をよく表している。
調査
方形周溝墓2基と円形墳丘墓2基を発掘調査し、方形周溝墓の溝内から絵画土器(平成27年7月22日市重要文化財指定)が出土した。古墳時代前期に墓域は東方に移り,墳長22mなど2基の前方後方墳(前方後方形周溝墓)と一辺14mなど3基の方墳(方形周溝墓)が築造された。遺物としては口縁部内面に人物、外面の胴部上半に切妻高床建物、シカなどの動物を描いた絵画土器や水銀朱が付着する石臼などが出土した。
絵画土器
絵画土器は、方形周溝墓周溝の底部から10cm ほど上で潰れた状態で出土した。器高24.8cm、口径14.1cm、胴部最大径約24cm。絵画は壺口縁部内面に1 カ所、胴部上半に6カ所に線刻で描かれる。内容は口縁部内面に「人物」、胴部上半に①切妻高床建物、②辟邪視文、③鹿1 ④鹿2、⑤犬、⑥棟持柱付切妻高床建物である。人物は両腕を上に上げ、魂振をしている姿とされる。高床建物は壁のない屋根倉形式で、建物に窓が描かれる。棟先飾に雲のようなものが描かれる。鹿は地霊の象徴と言われる。
遺構
弥生時代
- 竪穴建物
- 溝
古墳時代
- 前方後方形周溝墓 2
- 竪穴建物
弥生時代、古墳時代
- 環濠
- 土坑
- 方形周溝墓
- 溝
遺物
旧石器
- 槍先形尖頭器
弥生時代
- 弥生土器
- 石器
- 須恵器
- 土師器
- 石製品
- 土器
- 石製品
- 鉄製品
古墳時代
- 絵画土器
- 石臼
指定
- 平成29年2月9日 国指定史跡
展示
考察
アクセス
- 名称:東町田墳墓群
- 所在地:岐阜県大垣市昼飯町東町田
- 交 通:
参考文献
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