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丸墓山古墳2024年12月12日 00:20

丸墓山古墳

丸墓山古墳(まるはかやまこふん)は埼玉県行田市にある古墳時代古代の円墳である。

概要

関東ローム層の低台地である北足立台地の縁辺にある。周堀の上端での計測で径約105mとされる円墳である。高さは周堀の上端から約18.2mである。埼玉古墳群で最も高い標高となる。 以前は日本最大規模の円墳であったが、2017年に富雄丸山古墳(径110m)に抜かれ、日本で第二位の円墳となった。頂上に登ることができる。周堀は一重である。葺石は全面ではないが存在する。『新編武蔵風土記稿』では「丸墓山古墳」と呼ばれている。その頃、頂上に大日堂があったとされる。周堀の幅は約37m、深さは約2.8mの空堀がある。埼玉古墳群において唯一葺石を伴う古墳である可能性が指摘されている。 昭和50年頃まで「円墳」は疑問視されていた。 その理由は以下の通り。

  • 埼玉古墳群に現存する大型古墳は全[前方後円墳なのに、丸墓山古墳だけ円墳はおかしい
  • 築造年は稲荷山古墳に次いでいる
  • 墳丘は葺石で覆われていた 「稲荷山→丸墓山→二子山」の順に築造されたとされる。 被葬者は武蔵国造の笠原直使主と同族の小杵が武蔵国造の地位を争って殺され(武蔵国造の乱)、丸墓山に埋葬されたと伝わる。

調査

第一次調査

  • 昭和48年11月24日から昭和49年2月8日まで。 西方外堀確認用トレンチ調査を行った周堀の落ち込みを検出し、埴輪が出土した。平面図、土層断面図を作成。

第二次調査

  • 昭和60年10月16日から12月6日まで。 古墳北側の第一、第二トレンチを設定した。埴輪、埴輪片が出土する。埴輪片で多いのは円筒埴輪の破片である。外面はタテハケメ、一部はナナメハケメ。内面はタテナデ。後縁部は外反させる。タガは台形やM字型である。透かしは円形を確認できた。今までの調査結果から円墳と考えるべきである。周堀の立ち上げ上端で直径は105mとされた。円筒埴輪は川西編年のⅤ期に相当すると考えられた。丸墓山古墳の年代は六世紀前葉と考えられた。墳丘裾部から多量の川原石が出土したことから、埼玉古墳群において唯一葺石を伴う古墳である可能性が指摘された。墳頂部にあった石造物7基を墳丘外に移した。

第三次調査

墳丘テラスで葺石の一部と推測される配石遺構が検出された。

規模

  • 形状:円墳
  • 直径:105m
  • 高さ:18.2m

出土品

埴輪は川西編年のⅤ期に相当する。

  • 円筒埴輪、
  • 形象埴輪
  • 人物埴輪
  • 土師器
  • 須恵器

築造時期

6世紀前半の築造と推定されている。

石田堤

1590年(天正18年)の小田原攻めに際し、石田三成は2万の軍勢を率いて北条氏に従う忍城を総大将として攻めるよう秀吉から命じられた。忍城城主の成田泰親は北条氏の援軍として将兵数百騎と小田原城に籠城していた。忍城では城代の成田泰季らが忍城の守りに当たっていた。1590年6月7日に城代の成田泰季が急死し、代わって息子の成田長親が城代になったと「成田記」に記される。沼や深田などの足場の悪さから城攻めは進捗せず、三成は攻めあぐねた。三成は、丸墓山古墳に本陣を設け、城を水攻めにする計画を立てた。忍城を取り囲む総延長28 km(14km説もある) 、比高1.8-3.6 mをわずか1週間で構築したと言われる。川をせき止めるため、全長およそ28kmに及ぶ「石田堤」を築き、丸墓山古墳を本陣とした。丸墓山古墳から忍城がよく見えた。 現在、駐車場から古墳に続く道の一部は石田三成の忍城を水攻めにしたときの堤防の跡である。 石田三成は近辺の農民に米や金銭を与えて突貫工事をしたとされる。

指定

  • 1959年(昭和34年)3月20日 石田堤 県指定記念物
  • 1938年(昭和13年) 国指定史跡(埼玉古墳群)

アクセス等

  • 名称:丸墓山古墳
  • 所在地:埼玉県行田市埼玉4834
  • 交通: JR行田駅から市内循環バスで埼玉古墳公園前停留所下車

参考文献

  1. 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
  2. 埼玉県立さきたま資料館(1988)『丸墓山古墳 埼玉1~7号墳、将軍山古墳』埼玉県教育委員会埼玉古墳群発掘調査報告書第六集
  3. 埼玉県立さきたま史跡の博物館(2023)『特別史跡埼玉古墳群 丸墓山古墳・奥の山古墳整備事業報告書』埼玉県教育委員会

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