都月坂1号墳 ― 2025年05月09日 00:31
都月坂1号墳(とつきさかいちごうふん)は岡山県岡山市の標高74.8mの丘陵の尾根に位置する前方後方墳である。
概要
独立丘陵の半田山と鳥山に繋がる丘陵尾根に位置する都月坂古墳群の1基である。尾根上の山道からその脇に位置する。前方部は低く狭くなり、前端が開いて撥形の形状となる。前方部を南西に向ける。墳丘斜面あるいは裾部から円筒埴輪及び底部穿孔の壺形埴輪片が出土する。墳丘の南側の墳丘裾に石垣状の列石が見られる。 後方部中央に昔の盗掘により破壊された長さ4m、幅0.6mから0.8mの竪穴式石室が僅かに残る。
築造順番
弥生時代の後期に2号墓(方形の弥生墳丘墓、2世紀後半頃)が築かれ、続いて古墳時代に入り1号墳(前方後方墳、古墳時代始め頃)・3号墳(前方後円墳)と築かれた。4号墳は既に削平されてしまった。 弥生墳丘墓から古墳に移行する経過を1つの古墳群で見ることができる。
都月型
円筒埴輪を「都月型」とよび、吉備で盛んに作られた弥生墳丘墓の伴う供献土器である。特殊器台型埴輪は「都月型」として弥生時代から古墳時代にかけての標識土器となる。 「都月型埴輪(=特殊器台形埴輪)」の名祖遺跡とされる。
調査
岡山大学が数回の発掘調査を行う。
規模
- 形状 前方後方墳
- 築成 前方部:1段、後方部:2段
- 墳長 33m
- 後方部 径1辺15m 高1.5m
- 前方部 長13m 高1.75m
主体部
遺物
- 碧玉製管玉1
- 鉄剣1
- 斧1
築造時期
- 前1期前半(4世紀前半)
被葬者
指定
- *考察
アクセス等
- 名称:都月坂1号墳
- 所在地:岡山県岡山市北区津島本町
- 交通:
参考文献
- 近藤義郎(1983)「前方後円墳の時代」岩波書店
- 近藤義郎・春成秀爾(1967)「埴輪の起源」『考古学研究』13巻3号
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