鍛冶屋逧古墳群 ― 2024年12月27日 00:27
鍛冶屋逧古墳群(かじやざここふんぐん)は岡山県美作市に所在する弥生時代から飛鳥時代に渡る古墳群である。
概要
鍛冶屋逧古墳群は上相遺跡から谷を一つ挟んで東側の丘陵上に立地する古墳群と遺跡である。 A古墳は弥生時代後期の円形周溝墓であるA1号墓のほか、平成24年度の全面調査で、円墳のA2・A3・A5号墳、土坑墓2基が発見された。 B1号墳は鍛冶屋逧B1号墳として検出されており、鉄滓散布地(鍛冶屋逧C調査区)も見つかっている。 西側斜面は平成24年度にB調査区として全面調査を行い、方墳のB2号墳、段状遺構1基、 製鉄遺構1基、溝1条を検出した。上相遺跡から鉄製品が多数出土しているので、両者は鉄生産での関連があると見られる。
鍛冶屋逧B1号墳
B1号墳は飛鳥時代の直径10mの円墳である。石室は全長6mの横穴式石室である。天井と入口の石材は抜き取られていた。墳丘は平面形が石室の長軸に沿う細長い楕円形で、長さは10m以上、幅は7.5mである。石室内床面から高さ約2mの盛土が残っていた。奥には遺体を収納する陶棺、副葬品として須恵器杯蓋・壺蓋・杯身と平瓶、耳環、古代の杯身が検出された。副葬品の一部とみられる。周溝は丘陵側を弧状にめぐる。周溝底面の最大幅は北東部で2.5m、深さは最も深い石室奥壁側で表土から60㎝である。石室の入り口や墳丘の溝から多量の鉄さいが見つかり、西側に製鉄炉が見つかった。
鍛冶屋逧B2号墳
長辺約9m、短辺約6mの方墳である。主体部は木棺直葬とみられる。長さ約80cmの鉄刀、鉄鏃などの副葬品、周溝か鉄製鋤先、6世紀の土師器、須恵器が出土する。
遺構
- 古墳8
- 土壙墓2
遺物
- 須恵器
- 土師器
- 石器
- 鉄器
- 鉄滓
- 耳輪
- 陶棺
アクセス等
- 名称:鍛冶屋逧古墳群
- 所在地: 岡山県美作市上相/岡山県美作市中尾
- 交通:
参考文献
- 岡山県教育委員会(2016)「大河内遺跡 及遺跡 小池谷遺跡 小池谷8号墳小池谷B遺跡 上相遺跡 小中遺跡 小中古墳群 鍛冶屋逧遺跡鍛冶屋逧古墳群」岡山県埋蔵文化財発掘調査報告 242
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