闘鶏山古墳 ― 2025年06月21日 00:22
闘鶏山古墳(つげやまこふん)は大阪府高槻市にある前方後円墳である。
概要
大阪府高槻市西部の奈佐原丘陵の標高標高84メートルの地点にある前方後円墳である。東に芥川、西に安威川に挟まれている。芥川領域の首長墓には弁天山古墳群がある。三島古墳群に属する古墳である。「闘鶏」の名は、『日本書紀』(仁徳62年)の記事「闘鶏野氷室」に由来するとされる。
調査
宅地開発に伴い、平成14年1月17日に発掘調査を開始した。葺石と墳丘を確認した。テラス面の幅はl.2m前後と狭い。地下0.9mに淡青灰色粘土に覆われた板石群が出土し、竪穴式石室を確認した。ファイバースコープ調査により遺骸や副葬品を確認し、未盗掘の竪穴式石室を2基確認した。全長86.4mの前方後円墳と確認した。後円部は3段ないしは2段、前方部は2段築成で、埴輪はなかった。墳丘の傾斜角度は上段裾部で35度から40度前後と急な斜面になっている。 第一主体は後円部中央で南北方向に軸がある竪穴式石室である。第二主体は後円部の西よりで南北方向に軸がある。第1主体は割竹形木棺である。後円部西側のトレンチ3から葬送儀礼に伴う祭祀用の丹塗りの二重口縁壷形土器、前方部西側のトレンチ7から土師器の壷などが出土した。天井石や側壁に使用する石材は徳島県吉野川流域産の緑泥片岩であった。
規模
- 形状 前方後円墳
- 墳長 86.4m
- 後円部径 約60m、
- 後円部と前方部の比高差4.5m
遺構
- 割竹形木棺
- 竪穴式石室
- 方形土壇
遺物
- 二重口縁壷形土器
- 土師器の壷
- 朱が付着した頭蓋骨
- 三角縁神獣鏡 2面
- 方格規矩四神鏡 1面
- 石製腕飾り(鍬形石)1点
- 鉄刀
築造時期
- 4世紀前半(古墳時代前期)
指定
- 2002年12月19日 国指定史跡
展示保管
アクセス等
- 名称:闘鶏山古墳
- 所在地:大阪府高槻市氷室
- 交通:
参考文献
- 高槻市教育委員会(2002)「闘鶏山古墳」第1次調査報告書
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