権現山51号墳 ― 2023年05月25日 22:58
権現山51号墳(ごんげんやまごじゅういちごうふん)は、兵庫県たつの市にある前方後円墳である。
概要
墳丘斜面に葺石があり、崩落土から出土した特殊器台型埴輪・特殊壺型埴輪の状況から、これらが墳丘に立て並べられていたことが推測される。古式な三角縁神獣鏡の組合せと特殊器台型埴輪・特殊壺型埴輪が同伴して出土している例として知られる。発掘調査を主導した近藤義郎は、「年来待ち望んでいた都月型円筒埴輪と三角縁神獣鏡の共伴関係がこの権現山古墳で初めて捉えられた喜び」を語る。日本最古の古墳の1つ。吉備で発生した埴輪の祖型、特殊器台と、大和的ない三角縁神獣鏡という、2つの政治的意味合いの濃い遺物が出土したことにより、吉備と畿内の2つの文化の統合された葬送儀礼の最古の姿が浮かび出る。
遺構
埋葬主体は、後方部に墳丘主軸と直交して設けられた竪穴式石室である。
規模
- 墳長 48m
- 後円部 径28m 高3.2m
- 前方部 幅14m 長20m 高1.3m
遺物
副葬品
- 鑿 7、
- 鉇3、
- 鉄鋸 1、
- 鑿状鉄器7
- 砥石 1
- 紡錘車形貝製品1
- 木製枕
- 他貝製品
鏡
天王日月吉獣文帯四神四獣鏡・張氏作三神五獣鏡・吾作三神五獣鏡・陳是作四神二獣鏡・波文帯四神二獣鏡。鏡は二段階までの古い形式のみである。
被葬者
遺存していた人骨から壮年後半から熟年の男性被葬者と推定。
時期
指定
なし
アクセス
- 名称:権現山51号墳
- 所在地:〒671-1311 兵庫県たつの市御津町中島権現山 山頂
- 交 通: 山陽網干駅から徒歩45分。
参考文献
- 都出比呂志(2011)『古代国家はいつ成立したか』岩波書店
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