屈葬 ― 2024年04月06日 00:16
屈葬(くっそう)は死者の埋葬時に手足を折り曲げる姿勢を取る埋葬方法である。
概要
遺体の下肢を股あるいは膝関節で折り曲げ、膝を右または左に傾け、手足を胸の上まで曲げて体積を減らして埋葬する。 日本の縄文時代に多く見られるが、弥生時代にも見られる。
屈葬とする理由
屈葬とした理由は諸説ある。
- 埋葬する穴を掘る労力の節約説
- 怨霊忌避説 - 死者の霊のよみがえりを避け生者への災いを防止
- 胎児の姿勢で再生を期待する説
- 安楽な休息姿勢で死者を楽にさせる説 - 平静時の座位と同じ
出土例
- 小竹貝塚 縄文時代、富山県富山市呉羽町1523-5、国内最多の前期縄文人骨
- 加曽利貝塚 縄文時代後期、千葉県千葉市若葉区桜木8丁目33-1
参考文献
- 長谷部言人(1927)「石器時代の蹲葬の起源について」『先史学研究』
- 大島直行(2017)『縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか : 墓と子宮の考古学』国書刊行会
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