面繋 ― 2026年10月09日 00:06
面繋(おもがい、おもがき)は古代の馬装において、馬の頭部に装着し、轡を適切な位置に保持して手綱による操縦を可能にする頭絡(馬の頭部に装着する馬具の総称)である。 「面懸」・「羈」(き)・「面掛」(おもがい)とも書かれる。「面懸」「面掛」は和製の表記であり、「羈」は中国古典にも見られる漢字表記で、いずれも馬の頭絡を意味する。
概要
面繋は、古代の馬装において馬の頭部に装着し、轡を適切な位置に保持して手綱による操縦を可能にする頭絡(とうらく)である。馬の口に銜(くつわ)をくわえさせ、人間の手綱さばきが馬にしっかり伝わるように頭に固定する。 面繋は革帯または組紐で構成され、轡の立聞(たちぎき)に取り付けられる。額帯・頬帯・鼻革・咽革などが馬の頭部を巡り、轡を安定して保持する仕組みである。立聞は轡の側面に設けられた立ち上がり部分で、面繋を連結するための金具である。 面繋は胸繋・尻繋とともに「三繋」と総称され、古代馬具の基本的な構成要素であった。実用品であると同時に、額部や革帯の交差部には房飾りや金銅製の辻金具を取り付け、馬の威容や所有者の身分を示す装飾も施された。
時代による変化
古墳時代中期~後期(5~6世紀)
馬の導入とともに鉄製馬具が普及し、実用性を重視しながらも、杏葉・雲珠・辻金具など金銅製の装飾金具が発達した。
飛鳥・奈良時代
宮廷儀礼や行幸に用いる装飾馬具が発達し、金銅製の飾金具や彩色した組紐を備えた華麗な面繋が製作された。一方で軍事・交通用の実用馬具も引き続き使用された。
出土例
- 面繋 - 金環塚古墳(千葉県市原市)、古墳時代後期前半(6世紀前半)
- 面繋 - 城山1号墳(千葉県香取市)、古墳時代後期
参考文献
- 張 允禎(2008)『古代馬具からみた韓半島と日本』同成社
- 西川 明彦(2009)『正倉院の武器・武具・馬具 日本の美術 第523号』ぎょうせい

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