八戸市博物館 ― 2026年10月21日 00:04
八戸市博物館(はちのへしはくぶつかん)は青森県八戸市に所在する市立の歴史博物館である。八戸の歴史・考古・民俗・無形文化資料を収集・保存・展示するとともに、国史跡根城跡のガイダンス施設としての役割も担っている。
概要
1983年(昭和58年)、「八戸市制施行50周年記念事業」の一環として1983年7月に開館した。初代館長は郷土史家の正部家種康である。 縄文時代から近世・近現代に至る八戸地域の考古・歴史・民俗資料を収蔵しており、丹後平古墳群出土品などの重要文化財、農具・漁具などの民俗資料、えんぶりや八戸三社大祭など地域の祭礼・芸能に関する資料を収蔵している。2025年現在で、常設展示室に約1,000点、収蔵庫内に約74,000点(あわせて約75,000点)の文化財を有する。 現在はリニューアル工事のため長期休館している。
主な特徴と構成
根城跡の敷地内立地
中世に南朝方の一大拠点として南部師行が築城した「根城」の跡地(史跡 根城の広場)に隣接する。1994年10月に「史跡 根城の広場」を開設した。主殿のほか、工房・板蔵・納屋・馬屋などが復原整備された。ボランティアの史跡ガイドが史跡の案内を行う。
丹後平古墳群出土品
7世紀後半から8世紀前葉に築造された丹後平古墳群から出土した資料で、金装獅噛三累環頭大刀柄頭などを含む。東北北部における古墳文化の展開や、古代の地域社会と中央との関係を考える上で重要な資料であり、一部が重要文化財に指定されている。
時期と性格
飛鳥時代中頃から平安時代前期(律令制の支配が及ばない東北北部における「末期古墳」)にかけて作られたものである。
装身具・刀剣類
- 勾玉(132個を含む約18,00個の玉類)やガラス玉、鈴、錫(すず)製の腕輪など。
- 蕨手刀(わらびでとう)や方頭大刀などの鉄製武器。
- 朝鮮半島(新羅)製とみられる黄銅製の「金装獅噛三累環頭大刀柄頭」は象嵌と鍍金を併用した極めて精緻な作りである。
4つの常設展示室(リニューアル前の展示構成)
「よみがえる歴史・ひらけゆく未来」をメインテーマとして、「考古展示室」「歴史展示室」「民俗展示室」「無形資料展示室」の4つの展示室で構成される。
- 考古展示室
- 八戸の縄文時代から中世までの歴史を、遺跡から出土した資料によって紹介する。
- 縄文時代
- 重要文化財に指定された「丹後平古墳群出土品」が展示される
- 長七谷地遺跡、田面木平遺跡、蟹沢遺跡、松ヶ崎遺跡、町畑遺跡、八幡遺跡など、八戸地域の主要遺跡から出土した資料を展示する。
- 縄文の部屋
- 歴史展示室
- 中世の根城を拠点とした南部氏の歴史から、江戸時代の八戸藩成立と城下町の形成、さらに近代以降の八戸までを、古文書・武具・絵図などの資料によって紹介する。
- 民俗展示室
- 八戸地域の人々の暮らしや生業、衣食住などに関する民俗資料を展示し、近代以降の地域生活の変化を紹介する。
- 無形資料展示室
- 八戸地方に伝わる民話、わらべ唄、民謡、方言、祭りなどの無形文化を、音声や映像などによって紹介する。
八戸市博物館の意義・位置づけ
八戸市博物館は、縄文時代から近現代までの八戸地域の歴史を、考古・歴史・民俗・無形文化の各分野から総合的に紹介する地域博物館である。特に、丹後平古墳群出土品に代表される古代北東北の考古資料、根城南部氏と中世城館、八戸藩と城下町に関する歴史資料、えんぶりや八戸三社大祭などの地域文化を一体的に扱う点に特色がある。また、国史跡根城跡に所在し、隣接する史跡根城の広場と一体となって、中世八戸の歴史を体験的に理解できる拠点となっている。
アクセス等
- 名称:八戸市博物館
- 所在地:青森県八戸市大字根城字東構35-1
- 休館:2025年10月6日~2027年6月30日(予定)
- リニューアル工事のため長期休館中。なお、隣接する史跡根城の広場は通常どおり開場している。
- 交通: JR八戸駅から市営バス・南部バスの田面木経由に乗車し、根城バス停下車、徒歩約1分。
参考文献
- 八戸市博物館・史跡 根城の根拠地 収蔵資料目録
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