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上総国文尼寺展示館2024年01月14日 00:29

上総国文尼寺展示館(かずさこくぶんにじてんじかん)は千葉県市原市にある上総国文尼寺・の歴史や出土品を展示する展示館である。

概要

上総国分寺・上総国文尼寺は741年(天平13年)、聖武天皇の勅による全国60余国に建立された僧寺と尼寺からなる国立の寺院である。ただし造営費用は地方の負担であった。 僧寺は釈迦如来、尼寺は阿弥陀如来を本尊とし、国家を守るための金光明最勝王経、大般若経、法華経の護国三教を根本経典とした。日本歴史で最大の国家事業であった国分寺造営は国を守るという役割のため、民衆の支持がなく、律令国家が衰退するとその役割を終えた。 上総国分尼寺の寺域は南北約490m、東西325m、面積12万3000平方メートルに及んだ。発掘調査が行われた全国の国分尼寺の中では最大規模を誇る。完成には民衆の労役と地方豪族の協力を得て20年を要した。 下総国文尼寺は国分寺跡の西北300mにあり、国分寺跡と同じ台地上にある。昭和7年の発掘調査で、「尼寺」と墨書した土器、下総国文寺と同じ形式の軒丸瓦などの遺物が出土しているので、国文尼寺跡であることは明らかである。 伽藍配置は右に塔を配置し、正面奥に金堂を置き、金堂と中門を結ぶ回廊で囲まれていた。塔跡に巨大な基壇が残るが礎石の間隔から、塔の高さは60m前後の七重塔と推定されている。金堂の基壇は東西24.6m、南北15.9m、講堂の基壇は東西27.8m、南北17.9mである。 発掘調査の成果から八脚門であったことが判明している。主要伽藍の北東に政所院(東院)、北西に薗院、伽藍中心軸上に講師院などの付属施設が配置されていた。 主要伽藍を囲む塀が巡らされ、東西南北に門が開いていた。国分尼寺は室町時代までに荒廃したとされている。

展示

展示館では、国分寺・尼寺跡の両方から出土した遺物、国分尼寺のジオラマ模型などを展示する。中門と回廊は奈良時代の工法を再現する形で木造復元された。現在は当時の3分の1程度を保存している。展示室はほぼ1室である。

  • 龍覚寺廃寺跡の軒丸瓦
  • 槍鉋
  • 鞴羽口
  • かなはし
  • 鋳型
  • 坩堝
  • 取鍋
  • 瑞花双鳳八稜鏡
  • 檜皮葺
  • 蛇紋岩

諸元

  • 名称:史跡上総国分尼寺跡展示館
  • 開館:1993年(平成5年)7月
  • 休館日:月祝日
  • 観覧時間:9時~17時(入場~16時30分)
  • 観覧料:無料
  • 所在地:〒290-0073  千葉県市原市国分寺台中央3-5-2
  • 交通:JR内房線五井駅から小湊鉄道国分寺台・山倉こどもの国行きバスで20分、市原市役所下車、徒歩10分

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