奴国 ― 2023年08月27日 00:20
奴国(なこく、ぬこく)は、『魏志倭人伝』に記載された倭国の国のひとつである。
概要
『魏志倭人伝』によれば伊都国の東南に奴国があり、その距離は100里である。 長官は兕馬觚(シバコ)といい、副官は卑奴母離(ヒナモリ)という。戸数は2万戸である。
- (原文)東南至奴國 百里 官日兕馬觚 副日卑奴母離 有二萬餘戸
比定場所
現代の福岡平野一帯が奴国と考えられている、奴国の中で須玖岡本遺跡群は、王墓や王族墓があることや、青銅器工房が密集していることなどから、奴国の中枢部であったと考えられている。また安徳台遺跡には奴国王の住居があったと考えられている。
日本書紀
『日本書紀』仲哀天皇8年の条に「儺県 (なのあがた) 」、宣化天皇1年の条には「那津 (なのつ) 」が登場する。いずれも奴国の領域と考えられている。
金印
江戸時代に筑前国那珂郡志賀島村叶崎で出土した金印には印文「漢委奴國王」と刻印されており、『後漢書』「卷八五 列傳卷七五 東夷傳」の「倭奴國」と考えられている。
- 『後漢書』
- 建武中元二年 倭奴國奉貢朝賀 使人自稱大夫 倭國之極南界也 光武賜以印綬
遺跡
- 須玖岡本遺跡
- 安徳台遺跡
- 那珂遺跡
- 比恵遺跡
参考文献
- 鳥越慶三郎(2020)『倭人倭国伝全釈』KADOKAWA
- 石原道博編訳(1951)『新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝』岩波書店
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