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地蔵平遺跡2023年08月08日 16:06

地蔵平遺跡(じぞうたいらいせき)は佐賀県佐賀市にある後期旧石器時代の遺跡である。

概要

嘉瀬川の上流域河川の合流部に面した河岸段丘の上に立地する。発掘報告では、地蔵平遺跡は後期旧石器時代の経典的なキャンプサイトであったと伺える、と記されている。 2万8000年前に大爆発した姶良カルデラの堆積層の上下から出土した石器は3万2千年前から1万6000年前に相当する。

発掘調査

平成18年度から平成22年度にかけて嘉瀬川ダム建設に伴う事前調査において遺跡から土坑、石器ブロック、集積遺構、47000点の石器が出土した。剥片尖頭器は安山岩製と黒曜石製とがある。ナイフ形石器は鋭い刃をもち先をとがらせた石器で長さ4.2cmから5.0cmである。 石材は遺跡に近い佐賀県伊万里市産の黒曜石や佐賀県小城市や多久市産の安山岩に加え、長崎県佐世保市や熊本県小国町産の黒曜石など80km離れた産地のものがある。 主要器種のナイフ形石器・台形石器・角錘状石器・剥片尖頭器・台形様石器は、これまで点的として把握されてきた北部九州における後期旧石器時代の石器の編年を考察する際の基準となるものであるから、特に重要である。

遺構

遺物

  • 礫群
  • 土坑
  • 石器ブロック
  • ナイフ形石器
  • 剥片尖頭器
  • 角錘状石器 - 黒曜石製
  • 掻器
  • 楔形石器
  • 台形石器
  • 石斧 - 「神子芝形」局部磨製石斧
  • 押型文土器

指定

アクセス等

  • 名称:地蔵平遺跡
  • 所在地:佐賀市富士町大字大野字入道
  • 交通:

参考文献

  1. 佐賀県教育委員会(2012)『地蔵平遺跡』佐賀県文化財調査報告書第163集
  2. 文化庁(2013)『発掘された日本列島2013』朝日新聞出版