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馬冑2023年10月03日 00:10

馬冑 (ばちゅう、うまよろい)は古代のうまの頭部を守るための鉄製の防御具である。

概要

馬冑は朝鮮半島南部、伽耶地域の出土例が多い。高句麗古墳壁画にも多く描かれている。日本国内では、将軍山古墳、和歌山県和歌山市大谷古墳と福岡県古賀市船原古墳の3例のみである。朝鮮半島の出土を入れても20例程度である。馬の体を守る鎧は馬甲という。

舩原古墳

船原古墳で発見されたとき馬冑はばらばらの状態であったが、九州歴史資料館で土やさびを落とし、破片を組み立てる作業が行われた結果、当時の形が明らかになった。馬冑は全長48.5センチメートルで、合計6枚の鉄板を鋲でつなぎ合わせて作られている。 馬冑の表面には馬冑を入れていた箱の木材とみられる痕跡が付着しており、これを調べたところ杉であることが分かった。杉は日本固有種であるため、国内で作られた箱に馬冑が納められていた可能性が高い。

大谷古墳

馬頭を覆う上端に立飾りをつけた馬冑は、わが国古墳出土の遺品としては特異なもので、大陸的色彩が強い。

朝鮮

出土例

  • 馬冑 - 将軍山古墳、埼玉県行田市、古墳時代、
  • 馬冑 - 大谷古墳、和歌山県和歌山市
  • 馬冑 - 船原古墳、福岡県古賀市

参考文献

高坏形埴輪2023年10月03日 00:24

高坏形埴輪(たかつきがたはにわ)は浅い皿に1本脚のついた盛り付け用の土器(高坏)の形状の埴輪である。

概要

高坏の下に器台を表す場合がある。

出土例

  • 高坏形埴輪 - 赤堀茶臼山古墳出土、群馬県伊勢崎市、古墳時代5世紀
  • 高坏形埴輪 - 室宮山古墳、奈良県御所市、古墳時代中期初頭(5世紀初頭)

鞍金具2023年10月03日 16:47

鞍金具(くらかなぐ)は馬の鞍につける金具全般をいう。

概要

杏葉や辻金具も鞍金具に含める。身体を前後からはさみ安定させる前輪と後輪の外周の縁部分である覆輪、海・磯の飾金具である海金具・磯金具を鞍金具に含める。

出土例

  • 金銅製鞍金具 - 藤ノ木古墳出土、奈良県橿原市、6世紀第4四半期、
  • 鞍金具 - 丸山古墳出土、大阪府南河内郡古市、古墳時代前期後半(4世紀後半)

参考文献

輪鐙2023年10月03日 17:13

輪鐙(わあぶみ)は金属製で輪の形状をした鐙である。 鐙は騎乗した人間が足を掛けるための器具である。

概要

鐙は、馬上で両手を使う際に体を馬に固定させるために必要となる。輪の下方は直線に近い形状である。足先や足裏を鐙の乗せやすく安定させるための形状である。 また、輪鐙の上方には力韋を結ぶための穴が空けられ、他の馬具に取り付けることができる。 蔀屋北遺跡の輪鐙は木製である。長さ20.6cm、幅15.7cm、足をかける輪の部分は一部欠けているが、内径でたて7.3cm、よこ10.6cmを測る。柄の部分は厚く、輪の部分の断面は梯形(内側が広い)になるように細工されており、柄の先端の穴に皮紐を装着して鞍につなげて使用する。柄の上縁や紐穴の内側上部は著しく磨り減っており、皮紐がむすばれて使用されていた痕跡が認められる。磨り減り具合からみて、右足用に装着されていたものと考えられる。材質はカシである。

出土例

  • 輪鐙 - 江田船山古墳出土、熊本県和水町、古墳時代・5~6世紀
  • 輪鐙 - 王墓山古墳出土、岡山県倉敷市、古墳時代・6世紀
  • 輪鐙 - 蔀屋北遺跡、大阪府四條畷市、古墳時代(5世紀)

参考文献