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八幡観音塚古墳2024年10月23日 00:22

八幡観音塚古墳(やわた かんのんずか こふん)は群馬県高崎市八幡町にある古墳時代の前方後円墳である。日本百名墳に選出されている。「上野国八幡観音塚古墳」とも言われる。

概要

群馬県西部を流れる烏川と碓氷川に挟まれた台地中央の碓氷川寄りに位置する。6世紀末頃に築造された前方後円墳である。周囲に周濠が確認されている。八幡観音塚古墳で二重ないし三重目の堀を検出し、周堀の規模や形態が明らかになった。群馬県内で最後に造られた大型前方後円墳と見られる。 石室は後円部南西方向に開口する両袖型の横穴式石室で全長約15.3m、玄室部長さ約7.2m・最大幅約3.5m・高さ約2.8m、羨道部長さ約8.2m・幅約1.4~2m・高さ約1.8~2.3mである。 巨石を使用した石室で、最も大きい石材は4.5×3.4メートル以上、重さ約50トンある。石室の大きさは東国で最大級である。墳丘と石室は高麗尺を使って作られていたと考えられている。墳丘は、前方部は2段、後円部は2段構成である。石室や石材の大きさは奈良の石舞台古墳に匹敵する。4面の銅鏡のうち、画文帯四神四獣鏡は埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土したものと鋳型が同じであった。

調査

1945年(昭和20年)3月、空襲に備え地元で防空壕を掘ったところ横穴式石室の入口が発見された。そこでは銅鏡・銅鋺・刀剣類・馬具・工具類・須恵器など膨大な副葬品がみつかった。

規模

  • 形状 前方後円墳
  • 築成 前方部:2段、後円部:2段
  • 墳長 96m
  • 後円部 径径48m 高12m
  • 前方部 幅91.1m 長49m 高14m*遺構

外表施設

  • 円筒埴輪 円筒Ⅴ式
  • 葺石 河原石

主体部

  • 室・槨 横穴式石室(両袖型)

遺物

【鏡】

  • 画文帯四神四獣鏡 <中国鏡>
  • 内行花文鏡<仿製鏡>
  • 六獣鏡 <仿製鏡>
  • 変形五獣五鈴鏡 <仿製鏡>

【装身具】

  • 銀釧1
  • 金環7対

【武器】

  • 銀装圭頭大刀1
  • 銀装横刀2・
  • 銀鶏冠頭柄頭1
  • 銀圭頭柄頭1
  • 銀鍍銅圭頭柄頭
  • 鉄鉾身石突共11
  • 鉄鏃
  • 銀製弭金具3

【武具】

  • 挂甲

【農工具等】

  • 鉄製鑓鉋
  • 刀子

【馬具】

  • 素環状鏡板付轡
  • 金銅透彫杏葉4
  • 鉄地金銅張杏葉4
  • 金銅鈴辻金具端金具17
  • 鉄地金銅張雲珠
  • 金銅鞖7
  • 鉄鞖
  • 鉄鐙鎖

【土器】

  • 須恵器

【その他】

  • 鉄釘
  • 鉄鎹
  • 金銅環状金具
  • 銅飾鋲
  • 貼銀銅金具
  • 菱形銀製品
  • 銅製承台付蓋鋺
  • 佐波里
  • 銀縁金具
  • 銀透金具

築造時期

  • 6世紀末

海外貸し出し

韓国国立公州博物館からの依頼で、「東アジア文化交流の宝庫-武寧王陵」に出品するため、 2014年9月25日から同館で開かれる「百済文化祭60周年記念特別展」に出展される。百済武寧王陵から出土した銀蓋鋺と銅承台付蓋鋺が似ているため、要請があった。

承台付蓋鋺

承台付蓋鋺は全国的に数が少ない貴重品である。上総国木更津・金鈴塚古墳からも同種のものが二個出土しており、その他にも同古墳からは、本古墳出土のものと類を同じくするものが出土している。銅承台付蓋鋺 は鋳銅製脚を有する鞠形に近い蓋で鋺・蓋の方に立上りを付け、身の内側に印篭蓋様にかかる。鈕は宝珠形を呈し、脚は喇叭状に広がる。高さおよそ14・8センチで、承台、鋺、蓋がセットになっている。鋳造で作られ、金メッキが施される。

被葬者

  • 古代上毛野氏の首長層が想定される。

展示

  • 高崎市観音塚考古資料館

指定

  • 昭和36年 国指定重要文化財
  • 昭和23年1月14日 国指定史跡

考察

承台付蓋は仏教と関係がある出土品である。百済武寧王陵からの出土と類似することは百済からの移入品であろうか。百済武寧王陵出土品と同型の獣帯鏡も見つかっている。

アクセス等 

  • 名称:八幡観音塚古墳
  • 所在地 :群馬県高崎市八幡町後観音
  • 交 通 :群馬八幡駅から徒歩20分

参考文献

  1. 群馬県教育委員会(1963)『群馬県埋蔵文化財調査報告書1:上野国八幡観音塚古墳調査報告書』群馬県教育委員会
  2. 高崎市教育委員会(2023)『八幡観音塚古墳』高崎市文化財調査報告書第487集
  3. 「観音塚古墳から出土した蓋鋺を韓国に貸し出し 百済出土品と比較」産経新聞、2014年8月5日

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