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卜骨2023年12月24日 22:11

卜骨(ぼっこつ)は占いに使う動物の骨である。

概要

動物の骨を使う占いを骨卜といい、これに用いられた動物の骨を卜骨という。 中でも亀の甲羅を使うものは亀卜といい、使用する甲羅を卜甲(ぼっこう)という。

来歴

ツングース系やトルコ系の狩猟を生業とする民族では、狩猟の条件、吉凶の判断、未来予知などを占うため動物の骨を使う。骨の形状色調、火にあぶって生じたひび割れの方向や形状、投げたときの骨の散乱状況で占う。東アジアの考古資料ではシカ、イノシシ、ブタ、ひつじ、山羊、牛、馬などの肩甲骨や亀の甲羅に円形または紡錘形の穴を開け、その穴に火を点じて、生じたひび割れで占うのが一般的である。 日本では弥生1期に出現し、Ⅲ期からⅤ期に渡る。古墳時代では宮城から長崎まで分布して出土する。

日本の卜骨

魏志倭人伝」では輒灼骨而卜、以占吉凶」(骨を焼き、割れ目を見て吉凶を占う)と書かれる。 古い段階では肩甲骨の一番厚みのある部分を焼くが、その後、厚みが薄い部分を焼くようになる。肩甲骨の大きな突起を削ったり、骨の表面を擦って磨くなどの加工が行われる。時代が新しいものでは削り薄い板状にする傾向がある。 出土品ではシカの肩甲骨が圧倒的に多く、シカの長管骨やイノシシの肩甲骨はそれに次ぐ。海豚の長管骨・脊椎骨、青海亀の卜骨は古墳時代に多い。アオウミガメの卜甲は古墳時代に多い。

使い方

骨の表面に先端を焼いたた棒のようなものを押し当てて点状に焼き、それにより生じるヒビの入り方を見て吉凶を占う。

出土例

  • 卜骨 - 青谷上寺地遺跡、鳥取県鳥取市、弥生時代
  • 卜骨 - 牟田寄遺跡出土、佐賀県、弥生時代後期から古墳時代初頭

参考文献

  1. 辻尾榮市(2012)「韓国金海會峴里貝塚出土骨卜と日本出土骨卜の類似点」人文学論集30, pp.79-91
  2. 神沢勇一(1976)「弥生・古墳時代および奈良時代の卜骨・卜甲について」『駿大史学』通号38,pp.1~25
  3. 金 建洙(2002)「韓半島の卜骨」考古学ジャーナル編集委員会 (492) ,pp.18~21