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有孔円板形土製品2024年03月15日 00:26

有孔円板形土製品(ゆうこうえんばんけいどせいひん)は円形で扁平な無紋の土製品である。「土製有孔円板」ともいう。

概要

関東地方の縄文時代晩期前半の遺跡からの出土が多い。東関東を中心とする。 厚さ1cmから2cmで円の径は10cm前後である。 円板中央に丸い孔をあける。中央の孔を中心に小孔がめぐるものがある。 土器片を素材として整形、穿孔、研磨により円盤形に仕上げた土製品である 栃木県小川町三輪仲町遺跡や栃木県氏家町の勝山遺跡で完形品が出土している。

用途

用途は紡錘車・蓋・土錘・装身具など諸説のほか、呪術や祭祀的な性格をもつ土製品とする説がある。

縄文時代後晩期には用途を明確にできない遺物が多い。漁網や釣り糸専用の撚り装置部品(吊り下げ型回転式錘)とする説もあるが、海から遠い場所の出土も多いため、合理的な説明がつかない。

事例

  • 千葉県西広貝塚 - 有孔円板形土製品61個出土
  • 三輪仲町遺跡 - 栃木県小川町、有孔円板形土製品
  • 藤井寺市船橋町出土 - 大阪府柏原市大正・古町、藤井寺市、東京国立博物館

参考文献

  1. 上総国分寺台遺跡調査団(1977)『西広遺跡』「有孔円板土製品」
  2. (財)栃木県文化振興事業団埋蔵文化財センター(1994)『三輪仲町遺跡』栃木県埋蔵文化財調査報告143

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