鳥獣花背方鏡 ― 2023年05月26日 22:25
''鳥獣花背方鏡'(ちょうじゅうかはいのほうきょう,Square Bronze Mirror)は正倉院に保存されている中では唯一の四角い鏡である。一般には「海獣葡萄鏡」と呼ばれる唐の鏡である。
概要
うずくまる獅子の形をしたつまみを中心に、その周囲に6頭の獅子と葡萄唐草文を配している。背面に葡萄唐草の中、獅子、鳥、蝶、蜂が飛び交う様子が刻まれる。鋳上りは鮮明である。銅、錫、鉛の成分比は中国鏡に近いため、唐の鏡と考えられる。正倉院展の第3回では「鳥獣葡萄背方鏡」と呼ばれていた。
構成
鏡背の文様は正方形の中を太い界線で区切り、内外を2区に分ける。内区は獅子形の紐をめぐる六頭の獅子と葡萄唐草文とする。外区は四隅に飛ぶ鳥を配する。各辺に鳥蝶を配置し、変化を付けながら、葡萄唐草文を絡ませる。鋳上り、保存状態がよく正倉院の伝世品中の白眉の一つとされる。「海獣葡萄鏡」は中国の隋・唐時代の代表的な様式である。円鏡は例が多いが、方鏡は珍しい。、
材料
白銅鋳製の方鏡である。白銅特有の光沢を有する。鏡面はやや凸面である。
展示歴
- 1948年 - 第3回
- 1964年 - 第17回
- 1977年 - 第33回
- 1992年 - 第45回
- 2004年 - 第56回
- 2014年 - 第66回
管理
- 名称 :鳥獣花背方鏡 第10号
- 倉番 :南倉 70
- 用途 :調度
- 技法 :金工
- 寸法 :一辺17.1cm,縁厚1.6cm,重さ1.945kg
- 材質:
参考文献
- 奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館
- 奈良国立博物館(1977)『第33回 正倉院展目録』奈良国立博物館
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