上宮聖徳法王帝説 ― 2023年06月03日 12:04
上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)は厩戸皇子の現存最古の伝記である。
概要
成立年代は不明である。一巻。現在知恩院蔵の写本(国宝)が、現存する最古のものである。本書でのみ知られる内容があり、史料的価値は高い。江戸時代までは法隆寺に伝わった。撰者未詳であるが、古い資料をもとに法隆寺の僧がまとめたと考えられている。
構成
皇室系譜は七世紀の古い記述法である。他の部分を付加し現在の姿になったのは平安中期とされる。裏書に山田寺の創建に関する記事がある。全体は五部構成である。 ①聖徳太子を中心とする皇室系譜、 ②太子の事跡:8世紀頃 ③法隆寺金堂薬師像後背銘・同釈迦像後背銘・天寿国繡帳と注釈、 ④太子の事跡の再録・追補(物部守屋討伐、戊午年の仏教伝来と廃仏、仏教興隆、冠位制、十七条憲法、山背大兄王事件、蘇我氏の滅亡):8世紀頃 ⑤欽明天皇より推古天皇に至る五天皇の在位年数・崩年・陵名、太子の生没年・墓所
参考文献
- 東野治之(2013)『上宮聖徳法皇帝説』岩波書店
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