下之郷遺跡 ― 2024年02月11日 00:28
下之郷遺跡(しものごういせき)は滋賀県守山市に所在する弥生時代の環濠集落である。
概要
野洲川の下流の沖積平野の末端に位置する。野洲川の下流域となる平野の中央である。弥生時代中期の巨大な環濠集落である。集落の周囲に幅6mから8m、深さ約2mの環濠が3条ある。集落全体を楕円形に囲む。集落の北東ではさらに外側に5から6条の条溝を作る。 集落の規模は東西340m、南北260m、面積は約万6000平米である。滋賀県では最大規模である。 集落の西側に出入口がある。折れた銅剣、焼けた弓、石鏃、石剣がみつかり、戦闘に使われたとみられる木製の盾が出土した。盾は4枚の杉板に2枚のサカキを補強材として組み合わせ、裏側には植物繊維を巻いた取っ手がつく。出入り口あたりで戦闘が行われたと推察される。弥生時代の「倭国乱」の激しい戦闘を思わせる遺物である。
調査
都市計画道路の建設に伴う守山市教育委員会による発掘調査で3重の濠が確認された。環濠集落の内部から、多数の柱穴、土坑、井戸が検出された。集落の中央部に南北に延びる溝と東西に枝状に広がる溝があり、内部には数棟の建物がある。区画された東西75m,南北100の方形区画に、他の建物より規模が大きい独立棟持柱の掘立柱建物が検出された。首長の館や祭祀などの施設と考えられる。樹木、葉、植物の種子や動物の骨などの遺物があり食生活を推察させる。
遺構
- 掘立柱建物
- 壁立式建物
- 方形周溝墓
- 区画溝
- 柱
- 環濠
- 溝
- 大溝
- 井戸
- 柱穴
- 土坑
遺物
- 弥生土器
- 磨製石器
- 打製石器
- 木製品
- 盾
- 環状石斧
指定
展示
- 下之郷史跡公園
時期
- *アクセス
- 名称:下之郷遺跡
- 所在地:滋賀県守山市下之郷町字上門田544-1
- 交 通: 野洲駅から徒歩45分、3.3km。/JR守山駅から近江バス小浜行き乗車、「下之郷東」バス停下車、徒歩5分
参考文献
- 御所市教育委員会(2002)「鴨都波16次発掘調査報告」+
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