宮谷古墳 ― 2024年02月12日 12:43
宮谷古墳(みやだにこふん)は徳島県徳島市にある古墳時代の前方後円墳である。
概要
宮谷古墳は徳島市の西側の丘陵裾にあり、阿波史跡公園の南側にある。徳島県で最古の前方後円墳と想定されている。後円部は削平されており、前方部と周辺部は畑に利用された。開墾のため後円部は削平されている。 近隣の積石塚は墳丘裾で円筒埴輪列が確認されているため4世紀後半と考えられている。
調査
1988年から1989年にかけて発掘調査され、1989年(平成元年)のトレンチ調査で、 竪穴式石槨があり、その木棺中に鉄剣、管玉、ガラス小玉、直径7.3cmの小型重圏文鏡、ヤリガンナが検出された。前方部斜面から三角縁神獣鏡3面が出土した。徳島県内では初の三角縁神獣鏡であった。墳頂部から壺型土器が大量に出土した。出土土器から4世紀前半と考えられている。 前方部と後円部の比率が1:1となること、古墳の縁の葺石を石垣状に積み上げること、前方部は尾根の上側に位置し、埋葬施設は古墳の主軸に斜行して東西を向くこと、平面形は纒向型前方後円墳に近い。後円部中央に墳丘の主軸と平行する東西方向の竪穴式石槨がある。
規模
墳丘
- 形状 前方後円墳
- 墳長 40m
- 後円部 径25m 高2.4m
- 前方部 幅11m 長15m 高1.6m
外表施設
- 形象埴輪 布留式土器(壺形など)
- 葺石 あり(結晶片岩割石)
- 【造出】なし。
- 【周濠】なし。
- 【周堤】あり
遺構
- 主体部 室・槨 竪穴式石槨
遺物
- 【鏡】中国:三角縁神獣鏡 3面。
- 鉄剣、
- 管玉、
- ガラス小玉、
- 小型重圏文鏡、
- ヤリガンナ
築造時期
- 4世紀前半
展示
- 徳島市立考古資料館
指定
アクセス等
- 名称:宮谷古墳
- 所在地: 〒779-3127 徳島県徳島市国府町西矢野
- 交通:JR徳島線 府中駅から徒歩40分から50分、2.8km。
参考文献
- 徳島市教育委員会(1993)「徳島市埋蔵文化財発掘調査概要3」
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