生菜 ― 2024年04月11日 00:42
生菜(せいさい)は古代中国語で生野菜の意味である。
概要
『魏志倭人伝』に「倭地温暖、冬夏食生菜、皆徒跣。」(倭の地は温暖で、冬も夏も生菜を食す。皆はだしである)と書かれる。
現代中国語では「生菜」shēngcài はレタス、サラダ菜の意味とされ、二番目の意味に生野菜がある。 古代中国の蜀、呉越では野菜を生で食べる習慣があったという(佐原真(1997))。 杜甫の詩に「春日、春盤、細生菜」(立春、細かく刻んだ生野菜が平皿に盛られる)と書かれる(佐原真(1997))。
考察
わざわざ倭は生野菜を食べる、と書くところは、そのような習慣のない古代の北方中国人が見聞したからに違いない。物珍しい倭の習慣として書いているようだ。倭地温暖とは中国の厳しい暑さ、寒さと比較している。皆はだし、もそうである。古代中国では、下駄は一般的な服飾品であったという。つまり中国では庶民もはだしではなかったらしい。
出土
参考文献
佐原真(1997)『魏志倭人伝の考古学』歴史民族博物館振興会
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