遠見塚古墳 ― 2023年05月21日 21:57
''遠見塚古墳'(とおみつかこふん)は宮城県仙台市にある前方後円墳である。
概要
東北を代表する前方後円墳である。名取市の雷神山古墳に次いで宮城県内では2番目の大きさである。国道四号線バイパス沿い、遠見塚一丁目にある。周濠は馬蹄形状で、周濠幅が後円部西側21.4mと東側41.8mとで著しく不整である。葺石・埴輪は検出されない。排水溝を両方の槨の南端に作られており、西から東へ水を流していた。 JR仙台駅から南東約3.6㎞に位置する。全長約110mで仙台市内では最大の前方後円墳である。後円部径62m、前方部幅38m、後円部高さ6.7m、前方部高さ2.5m。
調査
1947年、霞目飛行場整備のため後円部の土を取ったところ後円部頂下2mに2.25mの間隔を置いて2基の粘土槨が発見された。西槨から土器が発見された。周囲に幅10数m~40数mの不規則な周濠がある。埋葬施設は、南北方向に長い2基の粘土榔(割竹形木棺)であり、後円部は竪穴式の墓壙で、東西に平行して同時に埋納されていた。4世紀末~5世紀初頭の築造とみられる。
規模
- 形状:前方後円墳
- 築成:前方部:1段築成、後円部:2段築成
- 墳長 110m
- 後円部 径63m 高6.4m
- 前方部 長47m 高2.4m
遺構
内部にはさ6.7メートルほどの木棺が粘土に覆われて置かれている。
- 室・槨:①粘土槨②粘土槨
- 棺 :①②割竹形木棺
出土品
副葬品は、東榔から碧玉製管玉1点、ガラス小玉4点、竹製黒漆塗り竪櫛18点が出土した。出土遺物は仙台市博物館で展示される。
築造時期
古墳時代前期にあたる4世紀末から5世紀頃。東北では2番目に古い。
指定
- 1968年(昭和43年)11月8日 国指定史跡、
- 1980年(昭和55年)3月14日に史跡範囲の追加指定
アクセス等
- 所在地:宮城県仙台市若林区遠見塚1丁目ほか
- 交通: 仙仙台駅から市営バス霞の目営業所行きで19分、遠見塚小学校前下車
参考文献
- 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
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