Bing

ナデ2023年12月23日 10:52

ナデ(なで)は土器の成形法のひとつで、指や布で土器の表面を平滑にすることである。

概要

土器の器面を指や布でなでて器面をなめらかに仕上げる調整方法である。 弥生土器や土師器のように土器を手で回したり、ロクロの原形となった回転台にのせて行う方法と、須恵器のように、ロクロを使って行う方法(回転ナデ)がある。実際は手でなでるわけではなく、何らかの板状工具を使用していると考えられている。この工程により、ほぼ完全に土器の器面を平滑にすることができる。 縄文時代後期の土器は、縄文を入れた後に、区画の残りを丁寧にナデで消す技法が流行した。磨消縄文といわれるこの技法は、関東から西北九州にかけての地域に広く分布する。

ナデ調整

ナデ調整には、単に、器面をなめらかに仕上げるために行われる場合と、描いた文様をナデにより消すために行われる場合とがある。後者はハケ調整によってできた線を消す工程である。ヘラケズリ調整やハケメ調整、ヘラミガキ調整の前にナデ調整を行っている場合と、そうした調整のあとに行っている場合がある。ロクロナデはロクロを使用したナデ調整である。「ヨコナデ」は単に横方向になされたナデ調整である。「ユビナデ」は指頭をイメージさせる「ナデ」方である。「ヘラナデ」はヘラ状の工具を用いて行うナデ調整である。

事例

  • ナデ - 弥生土器、佐賀工場団地内遺跡、佐賀市高木瀬町、弥生時代
  • ナデ - 縄文土器、扇田道下遺跡、秋田県大館市、縄文時代

参考文献

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/12/23/9644970/tb