藤間生大 ― 2024年10月21日 20:50
藤間生大(とうませいた、1913年5月16日 - 2018年12月10日)は日本の歴史学者、考古学者である。
概要
1913年5月16日、広島県広島市に生まれた。1936年、早稲田大学文学部史学科卒。1938年、日本評論社に入社し、1945年7月、埼玉県立浦和中学校教諭となる。1971年、熊本商科大学教授(経済学部)、同付属海外事情研究所長となる。1982年、熊本商科大学教授を退職する。2018年12月10日、老衰のため死去。105歳。
業績
歴史学者の石母田正らと日本古代史研究を行い、戦後のマルクス主義歴史学をリードした。マルクス主義歴史学者として井上清、石母田正と並び称せられた。 著書に『日本古代国家』『埋もれた金印』『日本武尊』などがある。岩波新書『埋もれた金印』はロングセラーとなった。1950年代には古代の英雄を研究し、民族の独立を主張する民族論を牽引して学会に激しい論争を引き起こした。藤間 生大は部族を複数の氏族(親族共同体)を包括する地域的な結合体であるとし、北部九州における部族的なあつまりが中国人によって「国」とよばれ、その族長は「国王」と呼ばれたと論じた。 古代日本史から近代東アジア史まで幅広く研究する。1950年代には1950年代半ば以降はマルクス主義歴史学の衰退とともに学界の表舞台から遠ざかった。熊本県合志市栄に藤間生大希望の歴史学記念館が開設されている。
著書
- 藤間 生大(1943)『日本古代家族』伊藤書店
- 藤間 生大(1947)『日本庄園史』近藤書店
- 藤間 生大(1949)『日本古代国家―成立より没落まで特にその基礎構造の把握と批判』伊藤書店
- 藤間 生大(1950)『国家と階級 天皇制批判序説』太平社
- 藤間 生大(1950)『やまと・たける―古代豪族の没落とその挽歌』角川書店
- 藤間 生大(1951)『国家権力の誕生』日本評論社
- 藤間 生大(1970)『埋もれた金印 日本国家の成立』岩波書店
- 藤間 生大(1972)『邪馬台国の探究 埋もれた金印を中心にしたゼミナール』青木書店
- 藤間 生大(1977)『近代東アジア世界の形成』春秋社、1977年
- 藤間 生大(1982)『東アジア世界研究への模索 研究主体の形成に関連して』校倉書房
- 藤間 生大(1987)『壬午軍乱と近代東アジア世界の成立』春秋社
- 藤間 生大(2018)『希望の歴史学 藤間生大著作論集』ぺりかん社、
by 南畝 [古代史人物団体] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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