鴨都波1号墳 ― 2024年02月10日 12:01
鴨都波1号墳(かもつばいちごうふん)は奈良県御所市にある古墳時代の方墳である。
概要
葛城山麓から伸びる低い丘陵の東端の標高99mから101m、葛城山系から流れる柳田川と金剛山麓から流れる葛城川の合流地点の河岸段丘上に所在する。鴨都波1号は南北20m、東西16mの方墳である。周囲を幅約4mの周濠が巡る。埴輪、葺石はない。昭和28年から発掘調査が行われた。主体部は盗掘されておらず、木棺が出土した。規模に比べて豊富な副葬品を有する古墳である。三角縁神獣鏡が3面出土した。鏡は背(文様面)を上にして並べていた。古墳時代前期の時期における小型の古墳で短甲を副葬する例はヤマトに限られるため、他地域との武力での優越性を示すものといえる。被葬者の歯や棺材の遺存状態は良好であった。靫や槍・剣の装具などの漆塗り製品もみつかり、経済力の豊かさが見られる。葛城氏につながる勢力の中心人物と見られる。
遺構
主体部はコウヤマキ製の長さ4.3mの木棺を粘土槨で覆う。棺内は水銀朱とベンガラにより赤く塗られる。被葬者は頭を北にして仰向けで埋葬されていた。
遺物
- 三角縁神獣鏡 3面
- 三角縁吾有好道三神三獣鏡
- 三角縁二神龍虎画像鏡
- 三角縁三神三獣鏡
- 杖状木製品
- 紡錘車形石製品
- 硬玉製勾玉
- 碧玉製管玉
- ガラス小玉
- 鉄刀
- 鉄鏃
- 板状鉄斧、
- 袋状鉄斧
- 釶
指定
展示
時期
- 古墳時代前期中葉(4世紀中葉)
アクセス
- 名称:鴨都波1号墳
- 所在地:奈良県御所市三室20番地
- 交 通: 近鉄御所線「御所駅」から徒歩約7分
参考文献
- 御所市教育委員会(2002)「鴨都波16次発掘調査報告」+
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