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陰刻 ― 2026年06月15日 00:18

陰刻(いんこく)は文字や文様を表面より低く彫り込む彫刻技法である。印章や金属器、墓誌などに広く用いられ、対義語は文字や文様を浮き上がらせる陽刻である。

概要

古代の印章では陰刻が一般的な彫り方として広く用いられた。 国宝の金印「漢委奴国王」の文字は陰刻で刻まれている。 陰刻では文字部分が凹んでおり、印肉は凹部に入る。押印すると文字が白く抜ける(白文) 陽刻では文字が凸になっており、凸部に印肉が付く。押印すると文字がインクなどの色で表現される。 陰刻に比べると、陽刻は彫る面積が大きくなる。 印を押すと文字部分が白く抜けて見えるため、この形式の印章を「白文印」と呼ぶ。

陰刻のメリット

陰刻のメリットは陽刻に比べ、より繊細で細かい形状を表現できる。印影では文字や文様が白抜きとなり、輪郭が明瞭になる。凸部がないため、一般に陽刻より欠損や摩耗の影響を受けにくいとされる。

陰刻の事例

国宝の船王後墓誌は日本最古の金属製(銅板)墓誌であり、長さ約29.4cm、幅約6.6cmの短冊形銅板の両面に、計162字が楷書体で陰刻されている。

参考文献

  1. 加藤諄、柴田光彦編(1988)『日本金石文学』青裳堂書店
  2. 東野治之(1978)「日本古代の墓誌の調査」奈良文化財研究所年報、奈良国立文化財研究所

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