塚廻り古墳群 ― 2025年06月13日 00:07
'塚廻り古墳群(つかまわりこふんぐん)は群馬県太田市龍舞町にある古墳時代の古墳群である。
概要
現在は一面の水田であるが、金山・八王子丘陵と足尾山地にはさまれた渡良瀬川扇状地にある。形象埴輪は昭和62年6月に一括して国指定重要文化財となった。
調査
昭和52年、県営圃場整備事業に伴って群馬県教育委員会によって発掘調査が行われ、7基の古墳が確認された。4号墳と3号墳の一部は現状保存された。古墳から、多くの形象埴輪が出土した。 平成22年に、太田市教育委員会の調査により西暦818年(弘仁9年)と推定される洪水の跡が確認され、この下から新たに4基の古墳が確認された。この結果から、周辺にはまだ多くの古墳が存在していると考えられる。土師器、埴輪、須恵器、縄文土器が確認された。縄文土器は遺構外であった。
遺構
平成23年2月から3月に、太田市教育委員会による発掘調査が行われ、818年と推定される洪水層が確認され、これに埋まった形で、古墳4基、住居跡2軒などが確認された。 1号住居跡は竪穴式住居である。柱穴は4基確認された。土師器片は古墳時代前期とみられる。
規模
塚廻り1号墳
- 墳丘形状 前方後円(帆立貝形)
- 築成 前方部:1段、後円部:2段
- 墳長 26.1m
- 後円部径 径18.8m 高0.5m
- 前方部 幅10.8m 長7.3m 高0.4m
塚廻り3号墳
- 形状 前方後円(帆立貝形)
- 築成 前方部:1段
- 墳長 23.6m
- 後円部径 径16.7m
- 前方部 幅7.1m 長6.9m
- 外表施設
- 円筒埴輪 円筒Ⅴ式
塚廻り2号墳
- 形状 前方後円(帆立貝形)
- 墳長 24m
- 後円部径 径19m
- 前方部 幅8m 長6m
- 外表施設
- 円筒埴輪 円筒Ⅴ式
塚廻り4号墳
- 形状 前方後円(帆立貝形)
- 築成 前方部:1段、後円部:2段
- 墳長 22.5m
- 後円部 径径17.7m
- 前方部 幅8.7m 長4.8m
- 外表施設
- 円筒埴輪 円筒・朝顔形Ⅴ式
- 主体部
- 棺 ①箱式石棺②箱式石棺
出土品
塚廻り1号墳
- 金銅製耳環
- 水晶算盤玉1
- 土師器杯
- 須恵器甕
塚廻り3号墳
3号墳から合計66本の埴輪が出土した。内訳は円筒埴輪45本、形象埴輪21本である
塚廻り4号墳
4号墳から総数304本の埴輪が出土した。内訳は、円筒埴輪253本、形象埴輪35本など。
被葬者
築造時期
古墳時代前期は1号住居跡、2号住居跡、5号溝、7号溝である。11号墳は屈曲脚高坏があるため5世紀前半と想定される。12号墳はTK47段階で、5世紀後半とみられる。
展示
- 群馬県立歴史博物館
- 群馬県埋蔵文化財調査センター発掘情報館。
指定
- 昭和52年9月20日 県指定史跡
アクセス等
- 名称:塚廻り古墳群
- 所在地:〒373-0806 群馬県太田市龍舞町3089(4号墳)ほか
- 交通: 東武小泉線竜舞駅から10分
参考文献
- 肥後和男・竹石健二(1973)「日本古墳100選」秋田書店
- 大塚初重(1996)『古墳辞典』東京堂出版
- 太田市教育委員会(2012)『塚廻り古墳群』太田市文化財調査報告書
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