将軍山古墳 ― 2023年05月22日 23:18
将軍山古墳(しょうぐんやまこふん)は埼玉県行田市に所在する前方後円墳である。
概要
埼玉県下で8番目の規模の前方後円墳である。国内で3例しかない馬冑が出土したことで知られる。戦前までは将軍塚と呼ばれていた。1894年、下忍村(現・行田市下忍)の増田五左衛門が自宅の庭に石を運ぼうとして発掘した。内裏塚古墳群(千葉県富津市)の稲荷山古墳に形状が類似する。増田五左衛門が庭石に考えた石は、実は金谷で産する房州石であった。 後円部西側前方部寄り、中堤西側に造出あり。周濠はほぼ長方形で2重。
構成
主円丘部が三段築成の造り出し付き円墳である。墳丘周囲に檀状部東南側が耳輪状の堀を二重に巡らせ、その間に中堤がある。
遺構
- 槨 ①片袖型横穴式石室
- 棺 ②木棺直葬
外構
- 円筒埴輪 円筒Ⅴ式
- 形象埴輪 靫、楯、大刀、鞆、あり、馬、男子、女子、楯持人、
規模
- 墳長 90m
- 後円部 径復元39m 高5m
- 前方部 幅68m 長55m 高8.2m
築造時期
6世紀後半。
出土品
- 乳文鏡
- ガラス小玉
- ガラス玉847以上
- 耳環 1
- 金銅環頭大刀片・銀装大刀片2
- 大刀片、
- 鉄鉾5
- 鉄鏃残片。
- 衝角付冑:横矧板鋲留衝角付冑残片、
- 挂甲小札。
- 斧
- 素環鏡板付轡・
- 金銅鏡板付轡
- 金銅半球型辻金具 9
- 金銅棘葉形杏葉 8
- 金銅鈴片
- 金銅舌鈴3
- 八角稜ナス形銅鈴4
- 鉄地金銅磯金具片・
- 鉄製輪鐙1対
- 蛇行状鉄器 2
- 馬冑片
- 金銅鉸具・鉄製鉸具
- 金銅袋状飾金具3・金銅鞍金具片
- 須恵器無蓋高杯
- 石製盤・銅鋺2
- 高台付有蓋銅鋺
被葬者
展示館
- 将軍山古墳展示館
- 展示:石室の内部、馬冑、被葬者や副葬品など再現
- 開館:9:00~16:30 入館は16:00まで
- 休館日:月曜日、年末年始
アクセス等
- 名称:将軍山古墳
- 所在地:埼玉県行田市大字埼玉4834
- 交通: JR吹上駅から朝日バス佐間経由行田車庫行きで15分/ JR高崎線行田駅から15分( 観光拠点循環コース(左回り)15分・(右回り)37分「埼玉古墳公園前」下車 徒歩約2分)
参考文献
- 肥後和男・竹石健二(1973)「日本古墳100選」秋田書店
- 大塚初重(1996)『古墳辞典』東京堂出版
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