内行花文鏡 ― 2023年05月26日 22:18

内行花文鏡(ないこうかもんきょう)は中国・漢代の鏡の形式のひとつである。
概要
鏡の内区の主要な文様を幾何学的文様構成の連弧文帯とする。鈕:鈕、四葉文:四葉文、連弧文、雲雷文・雲雷文帯で構成される。 内行花文鏡は日本での呼び名であり、中国では「連弧文鏡」という。高橋健児が連弧を花弁に見立て、内行花文鏡とした。 舶載鏡とそれを模倣して製作した模倣鏡とがある。 「'内行」とは連弧を内向きに一巡させる文様である。 「花文」は半円状の弧形を内に向かうように連環状に連ねた文様である。
出土例
- 天神山古墳
- 奈良県天理市柳本町天神山古墳から出土した。銅鏡は、後円部中央の竪穴式石室の中の木櫃の内外から発見された。奈良国立博物館蔵。重要文化財。
- 宇津木古墳
- 豊田市花本町宇津木29番地にあった宇津木古墳から出土した。全体の約半分が破砕しているが、四葉座を巡る素円圏があり、外側に内行花文帯、重線文帯、斜行櫛歯文帯、素円縁帯が巡る。豊田市郷土資料館。
- 甲斐銚子塚古墳
- 甲府市下曽根の甲斐銚子塚古墳から出土した。古墳時代・4世紀〔中国製・1世紀〕、青銅製。
参考文献
- 大塚初重(2019)『巨大古墳の歩き方』宝島社
- 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
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