四隅突出型墳丘墓 ― 2023年07月20日 22:05
四隅突出型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)は四角い方墳に四隅が突き出し、ヒトデのような形をした墓制である。糸巻型との別称もある。「四隅突出墳」ともいう
概要
日本海沿岸の島根県から富山県までの地域に分布する弥生時代末期から古墳時代初期に現れる墓制である。 丘陵尾根上、台地縁辺部に立地し、地山を削り出して、一部に盛り土を形成し、方形の墳墓を形成し、対角線の延長上に突出部を形成する。1辺20m前後である。裾に石列や石垣状の施設を巡らしたり、斜面に平石を貼ったりし、単独葬または複数の人物を木棺土壙墓や箱型石棺に埋葬する。 20数基が確認されている。1辺20m前後で、突出部を含めると1辺29m近い事例がある。裾に石列や石垣状の施設を巡らせるものがある。また斜面に平石を張ることがある。
起源
かつて朝鮮半島起源説、方形周溝墓起源説、貼石方形墓起源説などがある。朝鮮半島起源説は弥生時代前期にその原型が渡来し、弥生時代中期の方形貼石墓を経て四隅突出型墳丘墓になったとする説である。古代中国や朝鮮半島で見られる様な棺の四隅に石を置く事で埋葬者に邪霊が付くのを防ぐためが起源との説がある
事例
- 西谷墳墓群 - 島根県出雲市大津町
- 杉谷4号墳 - 富山県富山市杉谷。一辺約25、四隅が突き出した形で、周囲に溝がめぐる。
- 富崎遺跡 - 富山県婦中町富崎
- 平成元年(1989年)の発掘調査で一辺7.5mの方形部の四隅に長さ7mから8m、幅1.8mの突出部のつく四隅突出型墳丘墓である。
参考文献
- 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
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