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三国史記2023年07月23日 14:40

三国史記は古代3韓の新羅・高句麗・百済の歴史を記載した文献である。

概要

高麗17代仁宗の命を受けて金富軾ら10名の史官が1143年に執筆開始し、1145年に完成した歴史書である。1145年に高麗王に進上された。 前57年の新羅始祖の朴赫居世の即位から約1000年を記載する。

構成

『漢書』以後の中国の正史の形式に準じて、新羅本紀12巻、高句麗本紀10巻、百済本紀6巻、年表3巻、雑志9 巻(祭祀、色服、車騎、器用、屋舎、地理、職官) 、列伝10巻の合計50巻である。完本は李朝中宗代(1506~44)に慶州で刊行された木版本が現存最古となる。

前史料

1010年以前に旧『三国史』となる歴史書(書名は不明)があったとされる。 旧『三国史』では、高句麗本紀、新羅本紀の順であったが、『三国史』では順番が逆転した。 また中国の史料を大量に採用し、高句麗史料をかなり削除したとされる。

引用原典

引用原典として新羅関係で新羅固有史料41種、中国史料42種、日本資料1種、高句麗関係で、高句麗固有史料10種、中国史料17種、百濟関係で百済固有史料6種、中国史料11種が用いられた。最も古い原典は高句麗原典が4世紀後半、新羅原典は545年編纂の国史、百濟原典は5世紀末の編纂とされる。朝鮮側の史料として『古記』・『海東古記』・『三韓古記』・『本国古記』・『新羅古記』・金大問『高僧伝』・『花郎世記』などが第一次史料として使用された。いずれも現存していない。 固有史料の史実性については、歴史書編纂の60年以内が奈良・平安朝の歴史書から推定される限界とされる。

参考文献

  1. 上田正昭(1980)『ゼミナール日本古代史 下』光文社
  2. 金富軾 (1980) 『三国史記 1』平凡社
  3. 金富軾 (1983) 『三国史記 2』平凡社
  4. 金富軾 (1986) 『三国史記 3』平凡社
  5. 金富軾 (1988) 『三国史記 4』平凡社
  6. 金富軾・井上秀雄訳(1986)『三国史記〈3〉年表・志』平凡社
  7. 金富軾・井上秀雄;訳(1988)『三国史記〈4〉列伝』平凡社

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