鞍 ― 2025年02月21日 23:20
鞍(くら)は馬や牛などの背に固定し、人や物を乗せるための革または木製の道具である。
概要
馬と馬具は古墳時代3世紀から7世紀頃に朝鮮半島からもたらされたと考えられている。古墳時代には、金銅製の鞍金具や加工しやすい木製の鞍が使われていた。鞍は木質部分が大半を占めるため、残存しない。実物資料として残るのは古墳出土馬具の金属製の鞍金具が大部分であり、居木・鞍橋部の形状や構造は主に奈良時代の伝世品から遡上して類推するしかない。
鞍の構造
「前輪」、「後輪」と両者をつなぐ「居木」で構成する。「居木」は鞍に掛かるさまざまな加重を馬体に伝える役割がある。鞍を馬体へ固定するために腹帯・胸繋・尻繋が使われたと考えられる。
出土
- 金銅製鞍金具 - 藤ノ木古墳、奈良県橿原市、古墳時代 6世紀、国宝
- 木製鞍前輪 - みやこ遺跡、佐賀県武雄市、平安時代末期
- 金銅鞍金具 - 三国(新羅)時代、6世紀、五島美術館、国宝
- 鞍金具 - 足利公園麓古墳、栃木県足利市、古墳時代・6~7世紀
参考文献
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/10/31/9630166/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。