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小立古墳2024年02月01日 16:27

小立古墳(こたてこふん/こだちこふん)は奈良県桜井市にある古墳時代の帆立貝式前方後円墳である。

概要

1999年(平成11年)の圃場整備に伴う事前整備により発見された。酒井温子・村上薫史他(2005)により加工木の樹種はコウヤマキと同定された。発掘時に加工木の周囲の土は青灰色であったから酸素不足のため残存したと推測される。巨大な柱状木製品はヒノキであった。 古墳周濠の表面から下3.5mで木製車輪が見つかった。同時に見つかった土器から、飛鳥時代後半に廃棄されたと見られている。 車のタイヤに相当する輪木は厚さ3.7cm、幅9cmである。輻はホイールに相当し、日本最古の木製車輪である。従来は奈良時代の木製車輪が最古であった。輪木に開けた穴に輻の「ほぞ」をはめて、内周の輪木で補強する。車輪はアカガシ材であり一部は摩耗していた。貴族など一部の特権階級が使用したもので、用途としては牛車または荷車が想定される。古墳時代の古墳なので、木製車輪は古墳築造後に廃棄されたのであろう。盾形木製品には直弧文が描かれていた。

調査

発掘調査は2000年に桜井市教育委員会により行われた。後円部の1段目テラスの円筒埴輪は原位置で出土し、5本の木製埴輪の基部は立ったまま発見された。埴輪と木製埴輪の使い方がわかる古墳であった。位置は山田道の西側と推定される。

規模

  • 形状 帆立貝状古墳
  • 築成 前方部:3段か、後円部:3段か
  • 墳長 34.7m
  • 後円部 径28m 高2m
  • 前方部長9.7m 高1m

外表施設

  • 円筒埴輪 円筒・朝顔形あり
  • 形象埴輪
    • 周濠内より甲冑・蓋形埴輪などの破片、
    • 周濠内より家形埴輪の破片、
    • 周濠内より鶏形埴輪の破片・
    • 周濠外堤上で馬形埴輪、
    • 葺石 2段にめぐる
  • 【周濠】盾形・幅6m・深さ1m。

主体部

遺物

  • 円筒埴輪 77点、
  • 形象埴輪(鶏形、家形、舟形、盾形、蓋形、冑形、草摺形、短甲方、靫形)
  • 木製埴輪(石見形13点、靫形2点、盾形2点、太刀形1点)

築造時期

  • 5世紀 中頃から後半 (古墳時代)

被葬者

指定

アクセス等 

  • 名称 小立古墳
  • 所在地 奈良県桜井市山田字小立
  • 交通:

参考文献

  1. 酒井温子・村上薫史他(2005)「出土木製品に残る 劣化痕跡の解析(Ⅱ)」考古学と自然科学、日本文化財科学会誌 (51),pp.65-75
  2. 文化庁(2004)「発掘された日本列島2000-2004」朝日新聞社

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