Bing
PVアクセスランキング にほんブログ村

木製仮面2024年01月18日 00:01

木製仮面(もくせいかめん)は日本の弥生時代の木製の仮面である。全体の形状は顔の形をしており、両目をと口の部分を切り抜いている。

概要

2世紀から3世紀の間の日本の出土品としては、これまで3点ほどみつかっている。 正確な用途は分からないものの、弥生時代の土器に仮面を着けた人物を描いているものがあり、農耕儀礼を表したものではないかという説がある。

出土例

  • 木製仮面 - 大福遺跡
    • 2世紀後半ごろの仮面状の木製品、樹種はコウヤマキで、縦23・4センチ、最大幅7センチ、厚さ5ミリ。全体の4割程度が残存する。2013年5月30日、発表。仮面はほぼ中央で割れている。目を表す穴と、ひもを通したとみられる穴がある。まゆ毛の線刻表現はない。 国内最古ともいわれる木製仮面の一部が出土した。
  • 木製仮面 -纒向遺跡(奈良県桜井市)
    • 縦26センチ、幅21・6センチ、厚さ6ミリ。まゆ毛の線刻表現がある。農具のクワの刃を転用した。古墳時代前期(3世紀前半)、纒向遺跡太田池土坑出土品。奈良県の有形文化財。鼻は盛り上がり、鼻の穴があいている。三日月形の眉も線刻されており、周りに赤い顔料が残されていた。仮面はアカガシ製、深さ1.4メートルの井戸跡から出土。2007年 9月26日発表。裏面はほぼ平らで顔に沿う湾曲はなく、かぶるためにひもを通す穴もなかった。
  • 木製仮面 -西岩田遺跡
    • 木製仮面の素材はスギで、長さ約30センチ、幅約18センチ、厚さ最大2センチ。三つの穴が両目と口を、中心付近の隆起が鼻を表す。2023年4月23日発表。寺沢薫所長は、着用するには重く、飾るなどして祭祀に用いた可能性が高いとみる。 炭化した鍬や水をためる容器などの木製品とともに見つかっているため、水と火を使った農耕儀礼で使われたとみられるとされる。右側の一部が欠けているが、ほぼ全体が分かる形で出土した。右耳付近に小さな孔があけられており、右側は欠損しており分からないが、紐などを通していた可能性がある。しかし重量は約300gで重量があり、厚みもあること、裏面は扁平であり、顔に装着するには向いていない。手で持って使用したか、柱などに紐で縛ったかなどが考えられる。 西岩田遺跡、纏向遺跡のものと、目の仕上げの粗さが共通するという。

仮面文化

南西カメルーンの南西部のクロスリヴァー地方のエジャガム族においては、オバシンジョムという、仮面を用いた儀礼が行われる。佐々木重洋(2000)によれば、この仮面文化では。主催者が招待者に提供するエンターテインメントとして仮面を用いた踊りが中心になる。「死者にかかわる宗教的な行為と来客を歓迎したり社会に活気をもたらすための娯楽」の両方で仮面が使われる。こうした仮面の使用法は、日本の弥生時代の仮面を考える上では、参考となるに違いない、

指定

  • 令和4年3月25日 奈良県有形文化財、奈良県纒向遺跡太田地区出土

参考文献

  1. 「3世紀初めの木製仮面、大阪の遺跡から出土」朝日新聞, 2023年4月24日
  2. 「国内最古の木製仮面?-2世紀後半纏向出現前」奈良新聞, 2013年5月31日
  3. 「木製仮面が出土した纒向遺跡」桜井市立埋蔵文化財センター
  4. 「3世紀前半の木製仮面、大阪の遺跡で出土」産経新聞, 2023年5月11日
  5. 佐々木重洋(2000)『仮面パフォーマンスの人類学アフリカ、豹の森の仮面文化と近代』

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/05/11/9585196/tb