日高遺跡 ― 2025年02月11日 00:25
日高遺跡(ひだかいせき)は群馬県高崎市日高にある弥生時代後期の大規模集落遺跡である。
概要
榛名山東南麓の相馬ヶ原扇状地の南端部である。弥生時代の集落が良好な状態で検出された。水田の畔跡から人の足跡がみつかっている。円形周溝墓群、当時の米など貴重な発見がある。谷の西側の微高地に方形周溝墓、土坑墓、壺棺を埋設した墓域、さらに東側の微高地に居住域が確認されている。当時の暮らしを総合的に泊できる重要な遺跡である。
調査
1961年、関越自動車道新潟線建設に伴う発掘調査により、浅間山火山灰に覆われた弥生後期の水田跡が発見された。水田跡の西側台地に方形周溝墓の墓跡、東側台地には住居跡群による集落跡の存在が明らかになった。 水田跡は、浅間山の大噴火で降り積もった軽石に覆われており、保存状態が良く、あぜも残されていた。水田に水を供給する溜池状遺構や湧水が存在し、当時の水田稲作の様子がよくわかる。弥生後期から古墳前期・環濠の一部、焼失住居を検出した。木製品が重なった状況で出土した。平成5年度から20年度まで、遺跡の確認発掘調査が行われ、弥生時代後期(2~3世紀頃)の水田跡の広がりを把握し、史跡地内に環壕集落全体が保存されていることを確認した。弥生時代の土器棺墓、農具などの木製品、石製品、ガラス小玉、鉄器、栽培・炭化種子、鹿角製品、獣骨類が出土した。居住域・生産域・墓域がまとまって保存されている遺跡として、国の史跡に指定された。
遺構
弥生時代
- 環濠
- 竪穴建物
- 円形周溝墓
- 環濠
- 土坑
- 土器棺墓
- 水田跡
遺物
弥生時代
- 弥生土器
- 石器
- 鉄器
- 炭化種子
- 動物遺存体(獣(骨)+魚(骨))
- 鹿角製品
- 土器棺
- 小玉(ガラス製)
- 古式土師器
- 木製品
アクセス
- 名称:日高遺跡
- 所在地: 高崎市日高町31番地2ほか
- 交通: JR上越線 井野駅下車徒歩30分
参考文献
- 群馬県教育委員会(1982)『日高遺跡 地域埋蔵文化財発掘調査報告書5』
- 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
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