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短甲2023年06月04日 19:43

短甲(たんこう)は鎧の一種で鉄小札を横矧にして、鋲や組紐、革等で綴合わせてつくった防御具である。

概要

鉄板または金銅板を、鋲で留めたり革でつなぎ合わせて、胴部を包む構造である。 古代の鎧には短甲と桂甲とがある。短甲は腰から上を防御するための甲冑である。胴回りのみを守る丈の短いものである理由は、この頃の鉄は大変貴重な物であるため、短甲は身分の高い人物しか身に着けることができなかった。当初は短甲には胴より下の箇所を守る「草摺」はなかった。胸腹部の前後を守るだけで挂甲に比べると短いので、短甲という名称になったと考えられる。

最古の短甲

日本では現在のところ、弥生時代後期の木製漆塗短甲がもっとも古い。弥生時代後期の静岡県浜松市の伊場遺跡の溝から出土した短甲は発見当時に国内最古として注目された。胸当てと背当ての破片が見つかっており、実用品ではなく、儀式用ちされている。古墳時代の短甲は奈良県橿原市坪井遺跡の前期の溝から出土したものである。

桂甲の出現

古墳時代の中期から奈良時代にかけて桂甲が現れた。短甲よりも柔軟性がある。挂甲は短甲より丈が長く、部品の数も多い。古くは伽和羅(かわら)といわれ、日本書紀古事記に記載される。

形状

短甲は三角形、横長、縦長の薄い鉄板を革綴りまたは鋲留で製作する。胴丸式短甲と二枚胴式短甲とがある。短甲の主要部を構成する鉄板は、長方形、三角形などから幅の広い横長の鉄板へと変化する。鉄板をつなぐものは当初は革紐でとじていたが、5世紀中葉以降には鉄鋲で留めるようになる。

出土

  • 肩甲付短甲形埴輪 女狭穂塚古墳から出土
  • 鉄製短甲 東耕地3号墳 東松山市加美町地内 5世紀後半
  • 鋲留短甲 野中古墳、大阪大学蔵、古墳時代5世紀
  • 革綴短甲 - 大丸山古墳、山梨県甲府市、4世紀中葉-後半

参考文献

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