羽口 ― 2023年10月05日 00:05
羽口(はぐち)は鍛冶道具の一つで、にフイゴから炉の中に熱風を吹き込むための土製の管である。
概要
火力を強めるために使う筒型の土製品である。 縄文時代に北海道では製鉄は行われていなかったため、鉄製品は本州からの搬入品であった。しかし、鉄を加熱して打ち直す作業(小鍛冶)は行われていた。鞴羽口はそうした作業が行われていたことの証拠となる資料である。 滋賀県・能登川町石田遺跡では青銅の精錬で使われた「ふいご」の羽口が出土したと発表された。羽口は溶解炉の火力を強めるために空気を送り込む管形の器具で、羽口の完形品が出土したのは国内で初めてであった。また羽口に付着していた金属かすから、青銅の成分になる銅、スズ、鉛を検出した。 羽口から鋼成分が検出されたのも初めてという。
出土例
- 鞴羽口 - 常呂川河口遺跡、北見市、縄文(前~晩期)
- 鞴羽口 - 洞源遺跡、長野県佐久市前山、平安時代後期(10世紀頃)
- 鞴羽口 -石田遺跡、滋賀県能登川町、弥生時代後期
参考文献
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