鈴杏葉 ― 2023年10月05日 00:23
鈴杏葉(すずぎょうよう)は鈴が付いた杏葉である。
概要
鈴付き杏葉はかつて日本の創案と考えられたことがあるが,和歌山市の大谷古墳から出土した鈴付鏡板と鈴付杏葉の優品では、鈴杏葉の類も大陸製品の模倣と考えられる。 鈴の数は3つ、5つなどがある。
出土例
- 鈴杏葉 - 稲荷山古墳第1主体、埼玉県行田市、古墳時代後期
- 偏円形及び剣菱形の本体の各頂点に径4.6cmの球形の大きな鈴を取り付ける。鈴口は一文字で、球のなかばに幅0.5cmの広い切り込みがある。鈴は3つである。
- 鈴杏葉 - 十二天塚古墳出土、栃木県足利市、古墳時代・5~6世紀
- 鈴杏葉 –能美市西山9号墳、能美市、古墳時代 6世紀
- 鈴は3つ。三角形の本体に3つの鈴がつき、鈴の中には小石が入れられる。本体の上半部には円文が鋳出され、円文内部と下半部に珠文が配されている。杏葉を吊り下げる立聞(たちぎき)の孔には鉄製鉤(かぎ)の一部が残存している。
- 五鈴杏葉 出土遺跡不明、古墳時代 6世紀、九州国立博物館
- 青銅鋳造の鈴付杏葉。吊手孔に鉄製品の断片と鉄錆が付着しており、本来は吊手金具に装着されていたと判断できる。本体は剣菱形で内部の区画に小さな突起を鋳込む。裏面には鋳型に生じた亀裂も線状に鋳込まれている。五鈴のうち一つは4分の1を欠損し、丸は失われている。他の4つもすべて補修痕があるため、内部の4つの自然石製丸も後補の可能性がある
参考文献
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/10/05/9623027/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。